中国海軍の艦隊がアメリカ本土に近いアラスカ州沖のアメリカ領海内を初めて通過したことが分かり、アメリカ軍は中国側の意図について分析を進めるとともに、米中の海洋を巡るせめぎ合いを示す動きとして注目を集めています。
アメリカ国防総省の当局者によりますと、中国海軍の艦隊が確認されたのはベーリング海のアラスカ州アリューシャン列島の沖合で、5隻からなる艦隊がアメリカの12海里の領海内を比較的早い速度で通過したということです。
各国の軍艦には一般の船舶と同じように、ほかの国の秩序と安全を害さなければその国の領海を通過できる「無害通航権」が国際法で認められており、アメリカ国防総省は今回の行動も国際法上は問題ないとしています。
一方で、中国海軍の艦艇がアメリカの本土に近いこの海域の領海を通過したのはこれが初めてだということで、アメリカ軍では背景にどのような意図があるのか分析を進めています。
中国の海洋進出を巡っては、南シナ海で人工島の造成を進めるなど領有権の主張を強めているのに対し、アメリカは一帯の領海や領空を認めずアメリカ軍の航空機や艦艇の飛行・航行を続けるとして、中国側の動きをけん制し続けています。
アメリカの軍事専門家の間では、今回の中国海軍の行動の背景に、こうしたアメリカ側の姿勢への対抗意識があるのではないかという見方もあり、米中の海洋を巡るせめぎ合いを示す動きとして注目を集めています。
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