米ウオールストリートジャーナルは、深刻化する欧州難民問題のポイントを4つにまとめている。
この数週間で欧州に流入する難民や移民の数が爆発的に増え、中東、アフリカから北欧、特にドイツを目指し数千人が殺到している。これほど大規模な民族の移動は第二次世界大戦以来だ。
■戦争と貧困
欧州への難民急増にはいくつか原因がある。シリアやエリトリアからの難民など戦争や圧政を逃れてきた人もいれば、サハラ以南のアフリカからの移民のように貧困や先行きの見えない経済状況からの脱却を求めて移住してくる人もいる。
■難民急増
リビアでの法や秩序の崩壊は、密航業者の仲介に道を開いた。これらの業者は難民を地中海経由でイタリアまで船で運ぶ。さらにシリアでの危機深刻化が、トルコからギリシャへの難民急増に拍車をかけた。国連高等弁務官事務所(UNHCR)によると、今年イタリアやギリシャへのボート難民は約36万5000人に達し、そのうち40%がシリア難民だった。
■目指すはドイツ
ほとんどの難民が北欧を目的地としているのは、経済的見通しが明るく、難民申請の受諾率が高く、手厚い保護が受けられるためだ。ドイツ単独で2015年に少なくとも80万人の難民申請を受理する見通し。
■負担の分担
欧州連合(EU)は約10万人の難民の受け入れを加盟各国に割り当てる新たな案を準備している。ただその案は、特に東欧の首脳らからは実行可能でないとしてすでに批判を浴びている。(米ウオールストリートジャーナル)
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