■傘下企業をさらに合併させ、香港の株式市場からも訣別
前から噂されていたが香港最大財閥の李嘉誠は、本格的に香港から去る。
2011年以来、李嘉誠は中国大陸に保有していためぼしい不動産をほぼ売却した。上海の金融街に開発していた40階建てのビルも処分し、およそ二兆円の財産を処分した(多維新聞網、2015年9月7日)。
翌2012年以後は、拠点の香港でさえ、土地購入を止めた。
そして傘下の二大企業だった「長江実業」と「ハッチソンワンポア(和記)」を合併し、「長江和記実業」(CKハチソン・ホールディング)として、本社登記をカリブ海のタックスヘブンへ移した。
他方、カナダ、豪などでは資源、エネルギー、インフラ建設などの企業を次々と買収し、香港でも電力、ガス事業を統合し、また本業でもある不動産部門も海外展開を拡大してきた。
そして以前から倫敦の高級住宅地開発などに投資をしてきたが、華僑世界より西側世界への投資比率が急増し、ウォールストリードジャーナルなどによれば、過去18ヶ月で2兆4000億円を投じて西側での事業展開に比重を移していたことが分かった。
つまり、公言はしていないが「中国よ、さようなら」「香港もいずれ、さようなら」を地でいっていることになる。
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