19754 潘基文国連総長に身内からも批判続々   古沢襄

■抗日行事出席は「母国向けパフォーマンス」

国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長に対し、米国や日本、国連周辺から批判が噴出している。

国連の中立性を無視して、中国の軍事パレードを含む「抗日戦争勝利70年記念行事」に出席したためだ。2017年の韓国大統領選を見据えた政治パフォーマンスとの指摘もある。自民党外交部会なども9日、抗議文書を発表した。(夕刊フジ)

「国連は第2次世界大戦後、戦争の勝者のみならず世界の国々を代表する機関として創設された。国連が戦争の一方の側の記念行事に関与すべきではない」

国連研究で知られる米コロンビア大のアンドリュー・ネイサン教授(政治学)は、潘氏の行事出席をこう批判した。

さらに、一党独裁国家・中国が最新兵器を披露した軍事パレードへの出席についても、「パレードは高度に政治化され、勝利主義、愛国主義、軍事強大主義を体現したものだ。事務総長としてたしなめるべきであり、鼓舞すべきものではない」と強調した。

米ニューヨーク大のジェローム・コーエン教授(法学)も「潘氏は(北京滞在中に)中国の大気汚染や(南シナ海での)紛争、サイバー攻撃、人権弾圧といった諸問題に関して、公的に声明を発表すべきではなかったか」と、事務総長としての資質に疑問を呈した。

日本側は潘氏の抗日記念行事出席について「懸念」の意を表明していたが、潘氏は出席を強行した。

自民党の外交部会などは9日、潘氏について「(事務総長に求められる)中立性を著しく欠くもので、遺憾だ」「中国の軍拡路線を肯定したと受け止められ、事務総長としての適格性に重大な疑問を抱く」といった抗議文書を発表した。

国連職員からは、潘氏が、国際刑事裁判所(ICC)から「人道に対する犯罪及び戦争犯罪」の容疑で逮捕状が出ているスーダンのバシル大統領らとともに、軍事パレードを参観したことを疑問視する声も出ている。

また、ある国連高官は「韓国の大統領職に意欲を示しているとされる潘氏をめぐっては実際、(中国滞在中に)韓国内で好意的に報道されていた」と述べ、潘氏が次期韓国大統領選を見据えて、抗日記念行事への参加を、母国での“政治的野心”に結び付けた可能性を指摘した。(産経)

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