【モスクワ=仲川高志】2時間20分にわたり行われた21日の日露外相会談は、北方領土問題の解決に意欲的な安倍首相の意向を受けたものだ。
ただ、プーチン大統領の「年内来日」実現と、それに伴う領土交渉の進展を優先した「見切り発車」の面もある。
外相会談を受けた共同記者会見の終了後、岸田外相はロシア側への不満を態度と表情ににじませた。
外交儀礼上、共同会見が終われば、両外相は握手して立ち去るのが通例だ。しかし、岸田氏は立って握手を待つラブロフ氏を無視するかのように、座ったまま書類を片づけ続けた。ようやく握手するまで、岸田氏の顔はぶぜんとしていた。
「予想はしていたが、これほど厳しいとは」。外相同行筋は、ため息をついた。平和条約締結交渉の再開では合意にこぎ着けたものの、今後の領土交渉は難航が予想されるためだ。(読売)
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