■「ロシアはISISより、反アサド勢力を空爆している」(オバマ政権)
空爆と舌戦が続いている。
ロシアが空爆を開始したため、混乱が生じた。ロシアはテロリストの拠点を攻撃していると言い張りながら、じつは反アサド勢力の拠点を空爆している。この反政府勢力は米軍が軍事訓練をしてきた部隊と言われ、米国はいたく立腹している。
トルコは空爆に加わっているが、やはりISIS拠点ではなくクルド武装勢力の拠点を狙っている。サウジ、カタール、UAEなど湾岸諸国も空爆に加わっているが戦果は不明である。
ロシアは地上部隊を二千名、配備に付けたようで、イランも傘下のヒズボラ戦闘部隊を送り込んでアサド支援に回っている。本格的な地上戦闘が開始される可能性は日々高まっている。
問題はこうだ。
ロシアの狙いはISISの実質的な戦闘部隊司令官のチェチェン人を殲滅することにあり、ISIS全体が攻撃目標ではない。
トルコもISISに紛れているクルドの戦闘部隊殲滅である。中国が、これからどう出るかは不明である。
米国はイラクに精鋭部隊を組織しようとして、数百の規模でイラク人を訓練して最新兵器を供与してきたが、ISISが攻め込んだとき、かれらは武器を放置して逃げた。
マリキ政権が依怙贔屓で、部隊を速成し、訓練も殆どないままだったうえ、部隊幹部は腐敗の極にあった。
兵隊はサダム残党や旧バース党が多く、そんな軍隊にいつまでの付き合っている気はなかった。つまりいかに最新兵器で武装していようとも司令層が腐敗し、逃げ出す構えでは兵隊は闘わない。日清戦争で最新鋭軍艦を装備していても日本に蹴散らされたシナ人と同じである。
いまの中国軍もいざ戦争となれば、すぐに逃げ出すだろう。
反アサド勢力も、米軍の肝入れで訓練しても、残ったのは50名前後、しかも戦闘が始まると米軍が供与した最新兵器を置き去りにして逃げたため、これらはヌスラ戦線にながれた。
そうした状況下にロシアとイランが地上部隊をいれて、アサドを守ろうと言うのである。風向きは変わった。
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