■韓国経済新聞/中央日報日本語版
韓国輸出の約30%を占める電子・自動車産業が「中国発危機論」に震えている。かつて中国商品の武器は価格競争力だった。今は違う。消費者の目線にかなう技術まで備えたという評価だ。
特に韓国の1位の輸出品目である半導体分野でも強大な資金力を前面に出しながら買収合併(M&A)を続けている。競争国である日本は政府の規制改善に後押しされて、ダメな事業を大胆に捨てて新しい主力産業を探している。このままでは現在の主力産業は中国に、未来の産業は日本に奪われるのではないかという懸念が大きくなっている。
◆「メモリー10年以内につかまる」
半導体産業の育成に対する中国政府の意志はすさまじいほどだ。M&A市場を見ればよく分かる。中国は今年に入ってから世界2位のCMOSイメージセンサー(CIS)企業であるオムニビジョンを買収した。
メモリー半導体とファウンドリー(半導体受託生産)分野世界の2位であるマイクロンとグローバルファウンドリーズにも買収提案をしたと伝えられた。毎年2000億ドル(約234兆ウォン)以上の半導体輸入を減らすために天文学的なお金を投資している。
韓国の主力産業であるメモリー半導体分野でもBOE、XMCなどが進出を宣言した状態だ。
サムスン電子とSKハイニックスがメモリー半導体の世界1・2位を強固に守っている状況で、中国発危機論は時期尚早だという分析もある。しかし専門家たちの考えは違う。
ソウル大学半導体研究所のファン・チョルソン所長は「メモリー半導体の核心技術を持つ日本のエンジニアが今、相当数中国へと渡った状況」としながら「設計がそれほど難しくないために短期間で大規模な投資をすれば10年以内にも追撃される可能性がある」と警告した。
スマートフォン、テレビなど完成品の状況はより一層難しい。わずか3年前は中国のスマートフォン市場1位だったサムスン電子が、今は5位圏外に押し出されたのが代表的だ。
LGグループの技術開発を総括するイ・ヒグク(株)LG技術協議会議長は「かつては中国企業の水準が韓国よりも落ちるだけでなく消費者の期待値にも至っていなかった」とし「韓国と中国製品はいずれも消費者の期待値をある程度充足しており、技術よりも価格が販売に重要な変数」と説明した。
◆現代・起亜車、中国占有率10%以下に
自動車産業の展望も明るくない。世界最大市場である中国で、現代(ヒョンデ)・起亜自動車の位置づけが揺らいでいるのが端的な例だ。
昨年6%を超えた現代自動車の中国市場占有率は今年に入って5%台に下がった。4%に迫っていた起亜自動車の占有率は3%台序盤に下落した。
一方、中国の現地企業は躍進している。現代・起亜車のような海外ブランドよりも30~40%安値で車を販売しているからだ。市場占有率3%台序盤で10位圏外だった長安自動車は、今年に入って7月までに占有率を4.5%まで伸ばした。起亜車を超えたのはもちろん7位に跳ね上がり4位の現代車まで威嚇している。同じ期間に長城自動車も起亜車を押しやって10位から8位に上昇した。このままいけば現代・起亜車の今年の年間合算占有率が10%以下に落ちる可能性が高い。
ハイ投資証券のコ・テボン企業分析チーム長は「中国政府が沿岸の大都市の自動車販売量を規制して現代・起亜車をはじめとするグローバル自動車メーカーが困難を経験していることを考慮しても、中国企業の追撃スピードは激しい方だ」と話した。
◆日本は未来の主力産業を先行獲得
日本の雰囲気は違う。一時、韓国に半導体やスマートフォンなど主力産業を奪われて苦戦していた日本は、新たな収益モデルを探して復活している。
企業らは大胆な構造調整でこれまでの事業の規模を減らし、新市場に参入している。家電業界の強者ソニーがテレビを分社化してCMOSイメージセンサーに投資を集中し、今年の営業利益を昨年の3倍以上に増やすと展望されているのが代表的事例だ。
政府も果敢な改革で企業を助けている。最近、派遣労働者の派遣期間(3年)の制限をなくす労働改革法案が衆議院を通過した。未来の主力産業の創出のための規制廃止にも先頭に立っている。ロボット産業を育てるために高圧ガス漏出確認を人ではなくロボットがしてもかまわないように法を変えた。ロボットが道を使えるように道路交通法の緩和も行った。(韓国・中央日報)
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