韓国の朴槿恵大統領は軍事・安全保障は米国、経済貿易は中国という”二足の草鞋”外交をしてきた。朴槿恵大統領の側近が考えた外交指針であろうが、世界で対立する二大強国の両方にいい顔をする外交が通用する筈がない。
すでに”経済貿易は中国”という経済指針が破綻に瀕している。中国は韓国の思惑に構ってはおれない。逆に韓国内にどしどし経済侵略ともいうべき進出が顕著となっている。こんな筈ではなかったといっても後の祭り。
いまさら日韓経済協力といっても、日本の政財界が素直に受け取るであろうか。
ソウルを訪れた公明党の山口那津男代表は朴槿恵大統領と会談し、安倍晋三首相の親書を手渡した。
難産の末に大筋合意した環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を横目でみていた韓国は日米だけが入り韓国は疎外されたと騒いでいるが、中国に義理立てしている韓国は最初からTPP交渉に参加するつもりはなかった。
朴槿恵大統領は「今月末または来月初めに開催が予定されている韓日中首脳会議で安倍首相に会うことを楽しみにしている」と言ったそうだが、いまさらTPP参加の労を安倍さんに頼むといわれても困る。
それどころか、旧日本軍慰安婦被害者問題の解決を安倍さんに要求されても答えようがない。やはり韓国に対しては、しばらくは”模様見”の姿勢で応じるしかない。
■安倍晋三首相が8日、連立与党の公明党の山口那津男代表を通じて朴槿恵(パク・クネ)大統領に親書を渡した。韓米首脳会談と韓日中3カ国首脳会談のビッグイベントを契機に、韓国を中心に置いて「北東アジア外交プレート」が動いている。
山口代表はこの日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)を表敬訪問した後、ソウル市内のホテルで記者らに対し「安倍首相の伝言とともに親書を朴大統領に伝えた」と明らかにした。
「1965年(日韓国交正常化)以降、両国は協力しながら交流と安定を維持しており、将来をともに作っていくことを期待している」というのが安倍首相の伝言だ。朴大統領は「今月末または来月初めに開催が予定されている韓日中首脳会議で安倍首相に会うことを楽しみにしている」と答えたという。韓国も韓日関係改善意志を持っているというメッセージは伝えたのだ。
政府の当局者は「伝統的な韓日米3角協力の強化のために韓日関係を主導的に引っ張っていくべきだというのが政府の判断」とし「特に最近妥結した環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に日米だけが入り韓国は疎外されたという世論があり、韓国がより積極的な姿を示す必要がある」と説明した。
関心は31日または来月1日にソウルで開催される韓日中首脳会談を契機に、朴大統領と安倍首相の首脳会談が行われるかどうかだ。現在では韓国側も必要だという認識はある。外交部の関係者は「もともと首脳会談をする前は外交長官が相手国を訪問して議題を調整するのが外交的な慣例」とし「すでに尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官が日本を行ったり岸田文雄外相が韓国に来るには物理的に遅い時期」と述べた。その一方で「韓日間には外交長官が必ず会わなくても、外交チャンネルを通じてこうした内容を協議することが十分に可能だ」と余地を残した。
問題は旧日本軍慰安婦被害者問題だ。山口代表は「3カ国首脳会談を契機に韓日間にも対話の場が作られることを期待する」と韓日首脳会談の開催を望んだが、朴大統領は特に言及しなかったという。その代わり「日本軍慰安婦問題は女性の人権に関するものであり、当事者が高齢化しているため、何とか解決したい」と問題解決に強い意欲を見せた。
韓国政府は「完全な解決」ではなくとも日本が「誠意の表示」はするべきだという立場だ。安倍首相の親書が伝えられた事実を青瓦台がブリーフィングせず、山口代表が記者に会って知らせることになったのも、こうした政府の意中が反映されている。
専門家らは、いかなる状況であれ韓国が新たな北東アジア情勢で主導権を握るには韓日関係の改善が優先だと指摘した。国民大の李元徳(イ・ウォンドク)日本学研究所長は「日本と首脳会談を行うには名分がなければいけないが、それだけを待って日本がずっと手を差し出すこの良い機会を逃してしまえば失うものが多いはず」と述べた。
尹徳敏(ユン・ドクミン)国立外交院長は「今の韓日首脳間にはTPP交渉など会ってするべき重要な話が非常に多い」とし「3者会談の日程より韓日首脳会談の日程を先に決めて重みを与えたり、首脳会談を慰安婦問題の議論の場とするのも望ましい」と述べた。(韓国・中央日報)
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