19935 プーチン・ロ大統領来日、年内見送りへ   古沢襄

■領土交渉進展見込めず

日本、ロシア両政府が調整してきたプーチン大統領の年内来日が見送られる公算が大きくなった。北方領土交渉の進展が見込めないためで、日本政府関係者は15日、「年内はもう難しい」との見通しを示した。ロシアが領土問題で強硬姿勢を取り続ける中、交渉の停滞は避けられず、安倍晋三首相は仕切り直しを迫られる。

菅義偉官房長官は15日の記者会見で、年内の大統領訪日を目指す方針に「変わりはない」としつつも、実現の見通しが依然立たないため、「さまざまな要素を総合的に考慮してベストな時期を探っている」と語った。

首相とプーチン氏は9月の国連総会時の首脳会談で、平和条約交渉を進展させることで一致した。しかし、今月8日にモスクワで行われた次官級協議でロシア側は、「北方領土は第2次世界大戦の結果、ロシア領となった」との立場を譲らず、交渉は行き詰まった。しかも、ロシアは経済協力の拡大を優先する姿勢を示している。

こうした状況を踏まえ、外務省幹部は「大統領が領土問題では『手ぶら』で来て、経済協力だけ持ち帰るなら、何のための来日かということになる」と話す。来日を急いでも日本にメリットは小さいという判断だ。(時事)

 
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