■次の大物失脚が近いか、大事件発生か
中国共産党政治局常務委員の王岐山といえば、泣く子も黙る中国版の長谷川平蔵。
ばったばったと腐敗幹部を摘発し、拘束し、逮捕、起訴に踏み切り、これまでの失脚幹部は数えきれず、石油派、鉄道閥、通信閥、そして電力閥をかたづけ、ついには「大虎」に手を出す寸前とまでいわれた。
ところが9月3日の軍事パレードに江沢民、曽慶紅、李鵬らが雛壇に立つたので、大虎退治はこれまでと手打ちが言われた。
また天津大爆発以来、権力闘争も新局面にはいったようで、マスコミ種となる摘発はない。
そもそも王岐山がおおやけの場に現れなくなって、すでに24日間も経つのである。
トップセブンのトップ、習近平は訪米、訪英と重ね、李克強首相は北京のハイテク特区中関村に現れ、張徳江は月末に詳細を審議するAIIB会議準備に余念が無く、愈正声は民主諸党派との調整に忙しい。
劉雲山は北朝鮮訪問、張高麗は一帯一路の具体的討議の場に現れるなど、六人は毎日のようにマスコミに登場している。
なのに王岐山だけが、「所在不明」なのである。
とはいえ、彼の神出鬼没は、これまでも数回あり、7月には20日間あまりも所在不明だった。
3月には河南省に現れ、いずれもが省長クラスの失脚に繋がり、先に大物だった郭伯雄の拘束へと連動した。したがって、今回の雲隠れも、相当深く潜り込んでの捜査網の中枢にいるものと推測されてはいる。
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