■先高期待で地合い堅調
[東京 12日 ロイター]東京株式市場で日経平均は小幅ながら7日続伸。朝方は米株安や円安一服を受け売りが先行。短期的な過熱感も警戒されたが、先高期待から切り返し、プラス圏で引けた。もっともオプションSQ(特別清算指数)算出などをイベントを前に方向感は乏しい。TOPIXやJPX日経400は小幅安となった。
マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏は「12月の米利上げの確度が高まるにつれ、リスクオンに傾いている」と指摘。年内は株高基調が続くとの見方に加え、日経平均2万円までは価格帯別出来高が少なく、戻り売りが出にくいことが地合いの強さにつながっているという。
日清食品HD(2897.T)や戸田建設(1860.T)など好業績株も物色された。日本郵政(6178.T)がしっかりとした値動きとなり、投資家心理の安定につながったという。「郵政上場で流入した新たなマネーが、利益確定後にどこに向かうか関心が高い」(国内証券)との声があった。
一方、指数が前日終値を挟んだ小動きとなり、日中の方向感は乏しい。あすのオプションSQ算出や、来週の7─9月期GDP(国内総生産)、日銀金融政策決定会合などの注目イベントを控え、ポジションを傾けにくいとみられている。
個別銘柄では、アルバック(6728.T)が年初来高値を更新。11日に発表した2016年6月期業績予想の上方修正を好感した。連結営業利益は135億円から145億円、連結当期利益は95億円から100億円に引き上げた。第1四半期にFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置の利益率が想定以上に改善されたことなどが寄与する。
半面、りそなホールディングス(8308.T)が急反落。11日に発表した2015年4─9月期連結決算で当期利益が前年同期比35.4%減の857億円となり、嫌気された。与信費用の増加や株式関連損益の悪化などが要因だった。
東証1部騰落数は、値上がり976銘柄に対し、値下がりが799銘柄、変わらずが137銘柄だった。(ロイター)
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