■世界的な対テロ戦争と関連付け
【北京】中国北西部に位置する新疆ウイグル自治区の公式メディア「新疆日報」は20日、同地域で外国の過激派グループとつながりを持つとされる28人を中国当局が殺害したと報じた。
このニュースは、中国政府が新疆の分離独立派との抗争を世界的な対テロ戦争と結びつけようとする中で報じられた。また、これは過激派組織「イスラム国」が中国人の人質を殺害したことを明かしてから2日もたたないうちに伝えられた。
さらに、この報道は9月に新疆の炭鉱で発生したテロ攻撃で中国人労働者らが殺害されたことを初めて公式に認めたものとなった。ただ、死者数は国外メディアの報道よりも少なかった。
新疆日報によると、28人の殺害は地元当局が新疆の山岳地帯で実施した56日間におよぶ犯人捜査を締めくくるものになった。犯人のうち1人は捜査が終結した11月12日までに自首した。犯人は全員、国外の過激派組織から指示を受けたテロリストの分派に属し、「数万人の」地元市民が情報提供や捜査網を敷くことに協力したという。
また、同紙は新疆警察の話を引用し、「テロリストが国内にいようが、外国から中国に派遣されていようが関係ない。彼らがどのような手段を使い、どこに身を隠していようが関係ない。彼らは断固として、完全に根絶されるだろう」と伝えた。
新疆日報は国外過激派組織の名前に触れなかった。
この報道はイスラム国による中国人殺害に中国側が非難声明で応じた後に伝わった。イスラム国は9月に中国人の樊京輝氏を拉致して身代金を要求してきたが、今週になって同氏を殺害したことを明らかにした。中国政府の関係者や反テロの専門家らはこの殺害について、中国がテロリストの標的にされる国のひとつになった証拠だと指摘した。
中国政府は長年、新疆にくすぶり続ける分離独立の動きへの対応に苦慮してきた。ここ数年、この動きに起因する武装攻撃の発生件数と激しさは勢いを増しており、中国政府はウイグル族の分離派と国外過激派グループとのつながりが強まった流れだと非難している。
ウイグル族の活動家と欧米政府はこの主張を受け入れず、漢民族が大挙して新疆に流れ込み、過酷な民族政策を実施したことに対する憤りが分離運動を促したと述べている。
新疆日報は20日、習近平国家主席が樊氏の殺害を受けて発した言葉を繰り返し、テロリズムを「人類の敵」だと呼んだ。(米ウオールストリートジャーナル)
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