■国民戦線の躍進に危機感を持った有権者
フランスで13日に行われた州議会選挙の決選投票は、日本時間の14日未明から開票作業が始まり、1回目の投票で6つの州でトップに立った極右政党に勢いはなく、全体の開票率66%の時点で、いずれの州でも第1党とはなっていません。
フランスでは今月6日、全国17の州議会議員選挙の1回目の投票が行われ、先月の同時テロ事件で治安に対する不安が高まったのを背景に、移民の排斥などを訴える極右政党の国民戦線が6つの州でトップに立つなど全体で最も多くの票を集めました。
しかし、いずれの州でも得票率が50%を超える政党がなかったことから、13日、すべての州で、10%以上の票を得た政党による決選投票が行われ、日本時間の14日未明から開票作業が始まっています。
選挙の焦点は国民戦線が初めて州レベルで第1党になるかどうかですが、全体の開票率66%の時点で、国民戦線に勢いはなく、いずれの州でもトップに立っていません。
これに対して、サルコジ前大統領率いる保守系の最大野党・共和党を中心とする右派連合は7つの州で、オランド大統領の与党、社会党の左派連合は4つの州で、それぞれ優勢です。
国民戦線が失速した要因としては、決選投票の投票率が現地時間の午後5時の時点で1回目より7ポイント余り伸びたことが挙げられ、国民戦線の躍進に危機感を持った有権者が、より多く投票所に足を運んだとみられています。
さらに、1回目の投票で苦戦した与党・社会党の左派連合が、極右政党が第1党になるのを許してはならないと一部の州で決選投票を辞退し、支持者に対して、ライバルの野党・共和党に投票するよう異例の呼びかけをしたことも影響したとみられます。
開票作業は現在も続いており、日本時間の朝のうちに大勢が判明する見通しです。
■ルペン党首「有権者を子ども扱い」
フランスの州議会議員選挙の決選投票で、1回目の投票でトップに立った国民戦線のルペン党首は、13日午前、比例代表の候補者リストにみずからの名前を載せている北部の州の投票所で1票を投じました。
投票後、ルペン党首は記者団に対して余裕のある表情を見せながら、「やるべきことはやった」と述べる一方で、「首相などが、有権者を子ども扱いし、恐れを抱かせるなかで行われた選挙戦だった」と振り返り、与党が国民戦線の勢いをそごうと一部の州で決選投票を辞退し、支持者に保守系の最大野党に投票するよう呼びかけた行為を批判しました。
このほか、オランド大統領は、地元、中部の州で、最大野党・共和党のサルコジ前大統領はパリ市内の投票所を訪れて、それぞれ投票しました。(NHK)
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