失意の緊急帰国だ。GPファイナル女子で194・32点の6位に沈んだ浅田真央(25=中京大)が、13日のエキシビションの出演を取りやめ、急きょ帰国の途に就いた。
トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に失敗した12日のフリー前から体調が優れず演技後に胃腸炎と診断され、この日バルセロナを離れた。
宮原知子(17=関大高)が、自己ベストの208・85点で2位。エフゲニア・メドベージェワ(16=ロシア)が世界歴代3位の222・54点で初優勝した。
エキシビションの出演者に名を連ねていた浅田がフィナーレの練習に姿を見せなかった。日本連盟の小林フィギュア強化部長によると12日のフリー前から体調が優れず、演技後に胃腸炎と診断された。
「すみません」と話して帰国の途に就いた浅田は、同部長に「次は全日本ね」と声を掛けられ「はい、頑張ります」と答えたという。
11月の中国杯、NHK杯、ファイナルと1カ月余りで長距離移動を含めて3試合をこなした。小林強化部長は「疲れが蓄積されていたのかな」と話した。10月のジャパン・オープンを含めると復帰してから4戦目。これまで浅田は疲労について聞かれても、「特に(復帰前と)変わらない」と答え続けてきたが、体が悲鳴を上げた。
失意のファイナルだった。フリーのトリプルアクセルで大きくバランスを崩した。最下位の6位で出場7度目で初めて表彰台を逃した。「本番になると空回りしているのかなという感じ。心と体と技術と3つそろわないと。今の私には全て足りないんじゃないかな」。体調不良をひた隠し、厳しい表情を浮かべた。
ミスを重ね3位だったNHK杯のフリー後、自分への信頼が揺らぎ、「もう考えるのはやめよう」という結論を導いた。
だが、納得の演技とは程遠いフリーを終え「こういう形になってしまって、また考えないといけない」と力なく話した。
練習でも好不調の波が大きく、100%の自信を持てないまま試合が迫ってくる。佐藤信夫コーチ(73)は「どこかで自信を持たないと。練習で積み上げたものが本番でできてやっと本当の意味での手応えになる」と説明した。
25日には来年3月の世界選手権切符が懸かる全日本選手権(北海道)が開幕する。SP、フリーでトリプルアクセル、連続3回転、3回転ルッツを組み込む高難度の構成。
フリー後、「ジャンプの構成を変えるのか」と問われた浅田は、声を絞り出した。「それも考えなきゃいけないなと思います」。体調に不安を抱え、難度を下げる選択肢も浮上。復帰後、浅田が最大のピンチに陥った。(スポニチ)
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コメント
不調の原因はルッツだ。
ルッツジャンプが不得手と言われる浅田真央だが、不得手どころか一度も飛べていない。
飛ぼうと思って左バックアウトにするが、右トーを着くまでにフラットに変わり、更にインエッジなった状態で踏み切ってしまう。・・・これではフリップだ。
最後の最後までアウトエッジにしっかりと乗り、そこからのジャンプでなければルッツにならない。・・・ルッツが他のジャンプと異なる美しさは正にこの点なのだ。 回転姿勢の(カウンター)にこそ意味が有る。 ※ルッツに見せかけている(ごまかし選手)が非常に多いのも困ったものだ。
浅田真央が、なぜルッツに苦しむのか。 何千回も何万回も間違った踏切をしてきたがために、直せなくなった。・・・というよりは正しい分析を怠った真央自身に原因がある。 更には、真央に付いている佐藤コーチは全く役目を果たしていない。 コーチならば(選手の苦手を得意に変える)責任がある。 (美しいルッツ)を目指した繰り返し練習で、正しい癖を付けて自分のものにするしかない。 先ずはシングルで誰よりも美しいルッツを飛べるようにすることだ。
トリプルアクセルも完璧ではない。 完璧に飛びたいのであれば余裕のジャンプにする。 飛距離と滞空時間と回転速度をともに向上させる練習しかない。 踏切りはトランポリンで下から押し上げられる感覚で体をより高く浮上させ、 空中では(糸を通したボタンを高速に安定回転するために両端を持ってギューンを引っ張る)のと同様に、首を天に向かって伸ばし、同時に足を下に踏み刺すように伸ばす。 回転軸を空中の接線上に置くが、内側へ入ってはいけない。
すべての種類のジャンプで4回転に挑む気持ちにならなければ達成はできない。 トーの引っかき傷があったり、カーブが歪むといった醜い着氷をしてはいけない。 練習で大切なことは(流れる着氷の美しさ)を見せることだ。