20147 内閣支持率47・8% 不支持との差拡大   古沢襄

■分裂の維新は明暗くっきり 安保法制「評価」も7・7%増

 
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は12、13両日に合同世論調査を実施した。

安倍晋三内閣の支持率は47・8%で前回より3・6ポイント上昇、不支持は2ポイント減の41・2%で、支持と不支持の差は1ポイントから6・6ポイントまで拡大した。

自民の支持率も4ポイント増の37・9%だった。結党後初の調査となったおおさか維新の支持率は4・4%と自民、民主、共産、公明に次ぐ5位。維新は1・1%にとどまり明暗を分けた。

民主の支持率は9・4%と一ケタ台を低迷し、民主と維新の新党構想に対しては54・7%が「新党を作るべきではない」と答えた。

9月に成立した安全保障関連法制に関しては「評価する」が45・2%で前回より7・7ポイント増え、「評価しない」(45・9%)とほぼ並んだ。

消費税率10%引き上げ時に導入する軽減税率に関し56・7%が賛成し、反対の38・8%を上回った。一方、財源確保のため社会保障費が削られる可能性があることに「不安を感じる」との回答は83・4%に上った。

前回調査(10月24、25両日)に比べ軽減税率への賛成は3・9ポイント減り、反対が5・5ポイント増えた。財源問題に加え、対象品目の線引きをめぐる与党内の混乱が影響したとみられる。飲食料品全般を対象とすることには、軽減税率に賛成と回答した人の82・2%が「妥当だ」と評価した。

パリ同時多発テロを受け、日本でもテロが起きる可能性について81・3%が「高まっている」と回答。国内テロ対策として、重大犯罪の謀議に加わっただけで処罰対象となる「共謀罪」の新設には8割近い76・7%が賛成した。

一方、今月16日に最高裁が初の憲法判断を示す選択的夫婦別姓について、賛成が51・4%と、反対の42・3%をやや上回った。ただ、夫婦別姓が選べるようになっても別姓を「希望しない」との回答は81・6%に上った。

高木毅復興相の香典支出を含む政治資金問題に関しては、高木氏の今までの説明に79・9%が「納得できない」と回答した。

■野党への有権者の視線なお冷たく… おおさか維新は好スタート

 
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が12、13両日に実施した合同世論調査で、安倍晋三内閣の支持率が2回連続で上昇した。民主党などの野党は安全保障関連法の廃止を訴え、国会の閉会中審査で高木毅復興相の政治資金問題などを追及しているが、内閣支持率には反映されなかった。

合同世論調査によると、12月の内閣支持率(47・8%)と不支持率(41・2%)の差は6・6ポイントで、支持率と不支持率の差が5ポイント以上となったのは5月以来となった。安保関連法をめぐる騒動が落ち着き、経済政策や外交を重視する安倍内閣の姿勢が一定の評価を受けているようだ。

実際、支持率は平成24年12月の安倍第2次内閣発足後、最低を記録した7月調査の39・3%(不支持率52・6%)を底に、着実に上昇傾向にある。

8月と9月中旬の調査は43%台に回復したが、不支持率が上回る事態は変わらず、安保関連法が成立した直後の9月下旬の調査では42・6%(同43・5%)まで低下。前回(10月24、25両日実施)で44・2%(不支持率43・2%)と持ち直し、今回再び上昇幅を拡大した。

内閣支持率の上昇傾向は、他の報道各社の世論調査でもみられる。12月に実施した調査では、読売新聞が支持率48%(同40%)で、毎日新聞は43%(同37%)だった。

いずれも9月時点では不支持率が支持率を10~15ポイント上回っていたが、その後回復基調にある。朝日新聞、日本経済新聞、共同通信も9月は不支持率が上回っていたが、朝日新聞をのぞき11月までに支持率が逆転した。

一方、今回初めて世論調査の対象となった「おおさか維新の会」の支持率は4・4%で、分裂した維新の党の1・1%を大きく引き離した。

18日で政界を引退する橋下徹大阪市長は12日におおさか維新の代表を辞任したが、11月の府知事・市長の大阪ダブル選で完勝した勢いに対し、一定の期待感があるようだ。

維新の党は今年1月の調査で7・6%の支持率があったが、党創業者の橋下氏らが離れたことで存在感を失い、今回は社民党(0・9%)並みにまで転落した。

維新の党は民主党との統一会派結成で合意し、松野頼久代表は民主党との新党結成を目指している。だが、民主、維新両党が解党した上で「新党を結成するべきだと思うか」との質問では、「思わない」が54・7%で、「思う」の29・1%に大幅に上回るなど展望は開けなていない。
 

民主党の支持率も前回比1・8ポイント減の9・4%となり、8月の調査以来、再び1ケタ台に転落した。

民主党は来年夏の参院選に向け、維新の党や共産党などの他の野党や、安保関連法廃止を求める市民団体との共闘を目指している。岡田克也代表は、維新との統一会派結成で「1+1が3にも4にもなるパワーを発揮する」と相乗効果に期待を寄せるが、有権者の視線は冷めている。(産経)

<a href="http://www.kajika.net/">杜父魚文庫</a>

コメント

タイトルとURLをコピーしました