■だが解散権は制約されず
安倍晋三首相は14日午後、東京都内で開かれた内外情勢調査会で講演し、昨年末の衆院選での小選挙区の「1票の格差」を「違憲状態」とした最高裁判決について、「真摯(しんし)に受け止めている」と述べるとともに、「選挙制度の1票の格差是正について成案を得るように責任を果たしていきたい」と語り、制度見直しへの決意を表明した。
制度をめぐっては、衆院議長の諮問機関「衆院選挙制度に関する調査会」が改革案を検討中。こうした段階での衆院解散に関して首相は、「一般論」とした上で、「解散は否定されるものではない」と語り、首相の解散権は制約されないとの認識を示した。当面の衆院解散の可能性に関しては、「全く考えていない」と否定した。
消費税引き上げ時に導入する軽減税率の対象を「酒類、外食を除く飲食料品」とすることで自民、公明両党の協議が決着したことについては、「税こそは政治そのものだ。民意を十分にくみながら協議をして、最善の結果が出た」と強調。1兆円規模の財源が必要となるが、首相は「国民的な納得がなければ、経済にブレーキがかかる」と述べ、理解を求めた。
環太平洋連携協定(TPP)への国内対策や景気てこ入れのための経済対策が柱となる2015年度補正予算案については「歳出規模3.5兆円」にすると明言。安倍政権が最重要課題に掲げる「1億総活躍社会」実現に向けた新3本の矢に関しては、「成長と分配の好循環を生み出すのが、1億総活躍が目指す社会像だ。3本合わせて究極の成長戦略だ」と訴えた。(時事・ウオールストリートジャーナル)
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