20162 中国人民元の下落が開始された   宮崎正広

■米国の利上げはアジアの株式をちょっとかさ上げしたが、問題は「通貨」だ

悪貨は良貨を駆逐する。そして通貨は高金利に向かう。

中国は為替管理を厳格に統制下においてきたが、12月16日に発表されたイエーレンFRB議長の利上げ政策への転換により、人民元の下落に慎重に備え始めたようだ。

十年前、中国経済は世界第六位につけていたが、人民元は安く、人件費もまだ安く、貿易黒字が続いていた。

過去十年間、中国へ海外からの投資ならびに投機資金の流入が続き、逆に人民元は過剰に評価されてきた。つまり人民元高時代が続いてきたのである。

そして中国経済は世界第二位となり、人民元は過大評価がとまらない時代が2014年まで続いた。

六月からの上海株式暴落と人民元切り下げを切っ掛けに、海外からの資金は流失に転じ、それも勢いよく流れ出して、中国はドル不足に陥る。

今回のFRB利上げで、中国は海外からの債務返済に予想外に高い返済額を抱え込むが、問題は為替相場である。人民元はどこまで下がるか。

当局は急落を防止するために様々な手段を講じるだろうが、人民元安の流れを変えることは不可能である。

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