20210 これほどの落ち込みは2003年のSARS騒ぎ以来   宮崎正広

■香港の小売り、12ヶ月連続の減少、観光客も激減している

2003年に香港から中国全土、韓国、台湾にかけてSARS騒ぎがあった。あのとき、香港でも小売りは通年で2・3%下落した。

「あのSARS騒動より、こんどは最悪ではないか。通年で香港の小売業は前年比3%のマイナスだ」と香港小売業界幹部はいう(『サウスチャイナ・モーニングポスト』、16年1月5日)。

とくに何が悪いか? 宝飾品、高級時計、豪華な贈り物などがさっぱり売れない。前年比20・6%ものマイナス。

百貨店の売り上げも服飾品の不振が8・6%のマイナスだという。
 

香港へのツーリズム産業は大陸からやってくる「お上りさん」たちの「爆買い」に支えされてきたが、中国人のインバウンドは5・45%も落ち込み、ほかの海外からのツーリストは僅か1・28%でしかない。

ところが「外国客もヨットなどレジャーと食事を愉しむが、さっぱり買い物をしなくなった」という。

稼ぎ時とされたクリスマス、新年セールでの巻き返しを狙ったが、観光客そのものが143万人も減っていた。

わずかに売り上げ増はスーパーマーケットでの食料、タバコ、アルコールだけという惨憺たる結果となった。

おりしも中国の「ブラックマンディ」と言われる株価大暴落は1月4日に起きた。7%暴落した時点でサーキットブレーカーが掛かり、取引停止となった。

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