■四総部解体、15の部門設置は舵を切ったが
中国人民解放軍は1月11日に突如記者会見を行い、これまでの軍の編成替えに関して、四総部の改称につづき、15の部門が新設され、それぞれのトップが任命された。7つの「庁」、3つの「委員会」、そして5つの直属機関である。しかも、旧来の四総部は、この15部門のなかに位置付けられ、そのうえすべては党軍事中央委員会直属とされた。
人事で注目は『政治工作部』主任に張陽(大将)が任命されたことで、かれは習近平に近い『太子党』である。
もともと『政治工作部』とは軍事委員会総政治部のことであり、初代劉少奇いらい、李徳生など軍の実質的なトップと考えられてきた。その「総政治部」が『政治工作部』と改称され、張陽は、横滑りしただけの人事だが、全体をにらむポストに就いたとも考えられる。
他方、現在の七大軍区を四つか五つの「戦区」として改編されるというアイディアはいまなお不透明で、サウスチャイナ・モーニングポスト(1月12日)などは、「地方軍の抵抗がすさまじく、反対意見が予想以上に強いために遅れているのだろう」と分析している。
軍再編はまだ小出しがつづく。
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20222 小出しにしてきた中央軍事委員会改革 宮崎正広

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