■甘利再生相が辞意表明、後任に石原元幹事長起用へ
政局はにわかに波乱含みとなった。安倍内閣の屋台骨を支えてきた一人・甘利明経済再生担当相の辞任は大きい。
参院選で自民党が敗北するかもしれない。小沢一郎氏の高笑いが聞こえてくる。
この政治状況下で衆参ダブル選挙論も出てくる余地はない。やはり申年の政局は何が起こるか分からない。
参院選で自民党が敗北しても、「即・安倍退陣」とはならないが、衆参のネジレ国会になって与党は野党にジワジワと押しまくられるのは目にみえている。
完全な不況脱出も難しくなり、日本経済に与える影響も出てくるだろう。さし当たって明日の東京市場がどう反応するか。
[東京 28日 ロイター]甘利明経済再生担当相は28日、都内で記者会見し、自らの金銭授受疑惑の責任を取って閣僚を辞任する意向を表明した。同氏は、安倍晋三内閣の看板政策・アベノミクスの司令塔役を担ってきただけに政権に打撃となるのは必至。
後任には石原伸晃・元自民党幹事長を起用し、2016年度予算案の審議を前に早急に態勢立て直しを図る。
甘利再生相は会見の冒頭、週刊誌の報道で表面化した金銭授受疑惑で「国民にご心配をかけ、深くおわびする」と陳謝。自らの金銭授受に関しては「大臣室で現金をスーツ・ポケットにしまった事実はない。秘書に適正な処理を指示した」と述べた。
一方、秘書が受け取った金銭の一部である300万円は、秘書の1人が使ったことを認めた。そのうえで「(秘書の)監督責任を重く受け止めている」と強調。「知らなかったとはいえ、私の政治家としての美学、生きざまに反する。閣僚の職を辞することを決断した」と語った。
甘利氏はまた、安倍首相に対し「ここに入る直前に(辞任の)意向を伝え、慰留された」ことを明らかにした。その上で「安倍政権を支えるのが私の役目。障害になってはしのびない。議員活動を一からやり直す」と述べた。
甘利氏は、デフレからの脱却と経済再生を掲げたアベノミクスを推進する中心的な存在であり、自民党総裁選で安倍首相(総裁)が当選するよう党内で強力に働きかけた「盟友」でもある。
アベノミクスが始まって以来、日経平均は上下動を伴いながら上昇を続け、そのことが高い内閣支持率につながり、安倍政権の安定性を高めてきた。
それだけに市場の一部からは「甘利氏はリフレ政策の要だっただけに、辞任によりアベノミクスの勢いが弱まる。辞任を受けて短期的な日経平均先物売りが出たが、アベノミクス相場への影響が懸念されたのだろう」(松井証券・シニアマーケットアナリスト、窪田朋一郎氏)との声も出ている。(ロイター)
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コメント
甘利さんの辞任は見事であります。下村博文文部科学相の辞任も潔かった。皆さん一仕事終えていた。見苦しかったのは菅直人元首相。