■組織改変を発表したが 唐突な組織改編をなぜ習近平は急いでいるのか?
突然の発表だった。昨師走に四大総部体制を「改称」し、あらたに15の部門に組織改編をした旨の発表があり、つぎに習近平の「軍師」とされた劉源の「勇退」が発表された。
現在七つある「軍区」を四つ、或いは五つの「戦区」へ改変するとされた事前の情報は実現されず、およそ一ヶ月遅れて「唐突」に2月1日の発表となった。
2月1日に北京の「八一ビル」で「解放軍戦区成立大会」が挙行され、習近平自らが出席し、それぞれの司令員に隊旗を手渡す儀式も行われた。五つの新軍区とは、「東部戦区」「西部戦区」「北部戦区」「南部戦区」、そして「中部戦区」。
新人事は下記の通り
「東部」司令員 劉澳軍。政治委員 鄭衛平
「南部」司令員 王教成 政治委員 魏亮
「西部」司令員 越宗岐 政治委員 朱福照
「北部」司令員 宋普選 政治委員 猪益民
「中府」司令員 韓衛国 政治委員 殷方龍
では中味はどうかと言えば現職の横滑りが殆どである。
東部司令員の劉澳軍は蘭州軍区司令員だった。北部司令員の宋普選は北京軍区から、南部司令員の王教成は瀋陽軍区から。西部の越司令員は済南軍区司令員から、中部戦区の司令員となった韓衛だけが北京軍区副司令からの栄転である。
注目は、南京軍区司令員の蔡英挺だ。
蔡だけが「信任」のポストの発表がないことで(2月2日現在)、習近平がもっとも信頼する軍人と言われるだけに、もっとパワフルな新任ポストが用意されているのではないかと事情通はいう。
理由は蔡英挺が習近平の福建省長時代から、当該軍区幹部として信頼あつく、また2013年に習が初めて新大将人事を任命した際にも習がじきじきに蔡英挺に陸軍大将とした経緯がある。
いずれにしても新人事による幹部は全員が50歳代。一気に軍高層部の若がえり進んだ。こうなると次に注目すべきは「新軍事ドクトリン」になる。
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