■出資で第三位のロシアがなぜ副総裁になれなかったのかト不満爆発
憤懣やるかたなし、ロシア財務省である。
中国の提唱したAIIB(アジアインフラ投資銀行)は1月16日弐正式発足し、金立群総裁以下、副総裁は英国、ドイツ、インド、韓国、インドネシアから撰ばれた。
出資比率から言えば、第三位(5・92%)のロシアからは副総裁が選出されないという面妖な事態の出現にロシアは失望を強める。
もともと格付けを得られないままAIIBはスタートいう異常事態。
日本、米国、カナダが加わらない以上、国際機関は格付けのしようがないのは当然で、発会式の記者会見でも「ドアはまだ(そしていつまでも)開かれている」と日本の参加に綿々と執着する有様だった。
後日、TPP署名式に際してオバマ大統領は「中国にルールを作らせない」と言明し、TPPの目的は中国排除にあることを示唆したのだが、AIIBには英国、ドイツが加わった。
とくに英国である。米国はこれを裏切りと認識したかもしれない。
AIIB副総裁に入った英国の代表はダニー・アレキサンダー卿。彼はしかも理事会秘書長を兼ねる。つまりAIIBの事実上のナンバーツーである。
アレキサンダー卿は英国財政部筆頭補佐官。つまりオズボーン財務相の一の子分である。オズボーンは英国政界における親中派のチャンピオン。英国を強引にひっぱって習近平訪英のお膳立てにつくし、AIIBへの参加を舞台裏で推進した。
ロシアは英国の出資率が第九位(2・91%)でしかなく、ロシアの遙か後塵を拝する国が、何をもってナンバーツーなのかと批判的になるのも無理はない。中国側は「国際金融に通じるベテランが必要だから」と理由付けをしているが・・・。
オズボーン英国財務相が15年3月に突如「英国はAIIBに加わる」としたとき、日米は驚き、ドイツは慌てて加盟を表明し、欧米各国はその列に飛び乗った。日本では「加盟しないとバスに乗り遅れる」「日本は孤立する」などと皮相な発言が続いた。仕掛け人のオズボーンはパンダハガーだったのだ。
AIIBは理事会のほか幹部会と管理部があり、12名の理事選出など、これからしばらく人事をめぐって参加国の執拗な確執がつづき、最初の融資実行は年内になる見込みという。
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