■オバマ大統領の予算教書からみる
(ブルームバーグ)オバマ米大統領が議会に提出した2017会計年度(16年10月ー17年9月)の予算教書を見ると、前提となる経済見通しは、昨年7月の年央改定よりは弱いものの、短期的に非常に明るい内容となっている。
ホワイトハウスは米経済の成長が今年と来年に加速、労働市場も力強さが続き、インフレ率は上昇すると期待している。
ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は、オバマ氏から引き継ぐ次期大統領の出発点は、オバマ大統領が経験した出発点よりも確実に良いものになると指摘する。
ザンディ氏は9日の予算教書提出前に、「極めて明白なことだが、経済情勢はオバマ大統領の就任時よりはるかに明るい」と指摘。2009年当時は「経済の下から床が抜け落ちた」状態だったが、現在は賃金の伸びが改善し、住宅価格は回復、財政状況も「当時ほど切迫していない」と続けた。
以下に、オバマ大統領の在任中の米経済のパフォーマンス、および4兆1000億ドル(約470兆6000億円)規模の予算の背景となる最新の見通しを示す図表をいくつか挙げた。
一つ注意しておかなければならないのは、予算教書における経済の前提は、15年11月半ばまでに利用可能なデータに基づいているということだ。オバマ政権の当局者は記者団に対し、この前提はその時点から変わっていないと説明した。
昨年の経験から言えば、ホワイトハウスの最新の予算案での経済に関する16年の想定は注目に値する。15年に関しては失業率はほぼ正確に予測し、成長率についても実際とそれほどかけ離れていなかった。
米経済はリセッション(景気後退)期から大きく回復してきた。オバマ政権は大統領の任期最終年となる今年、成長の改善を見込んでいる。予算教書では16、17両年のインフレ調整後の国内総生産(GDP)を2.6%増と予想。これは昨年の2.4%増からの成長加速となる。
予算教書での成長率見通しは、ウォール街の予想も上回る。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の中央値では16年が2.4%増、17年は2.3%増(ともに平均)が見込まれている。(米ブルームバーグ)
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