20310 大統領選、ニューハンプシャー州予備選の結果から見えたもの   古沢襄

ニューハンプシャー州コンコード(CNN) 今秋の米大統領選に向けた候補者選びの第2戦であるニューハンプシャー州予備選が行われ、事前の世論調査が予想していたように、共和党は実業家のドナルド・トランプ氏、民主党はバーニー・サンダース上院議員という非主流派が勝利を収めた。共和党の2位にはジョン・ケーシック・オハイオ州知事が入った。

ニューハンプシャー州の予備選の結果から見えたものは。

■トランプ氏は「本物」

トランプ氏は誰かのルールで動くわけではないが、そのことで悪影響を受けることはなかったようだ。アイオワ州で2位になりニューハンプシャー州で勝利し、全国世論調査でリードしているのを見ると、トランプ氏が共和党候補の1番手であることに異論はなさそうだ。

トランプ氏以下の2位争いが混沌(こんとん)としているということは、トランプ氏を支持しない人たちのなかでも意見が割れていることを意味する。

■サンダース氏は全国区へ

ニューハンプシャー州での勝利は、隣接する州の議員がたまたま勝利を収めたというふうに片付けるわけにはいかないだろう。1年とたたず、サンダース氏は、絶望的な探求を、ヒラリー・クリントン前国務長官に対する深刻な脅威へと変えた。

サンダース氏と民主党の進歩主義者との間に築かれた信頼関係と、若い有権者からの強い支持が意味するのは、選挙戦が進むなかで、クリントン氏はシステム的な優位性は保持しているかもしれないが、サンダース氏がすぐにいなくなることはないということだ。

■クリントン氏のすべきことは

クリントン氏は女性票を失った。男性からの支持も得られなかった。若い有権者からの支持は壊滅的だった。

さらに悪いことに、クリントン陣営は、これまではクリントン氏に敵対することもなかったサンダース支持者の多くを遠ざけてしまった。これは、「サンダース氏は空想の国に住んでいる」などと攻撃したためだ。

クリントン氏はニューハンプシャー州での敗北を認めたスピーチでも、自身が具体的な問題に対処できる最良の民主党候補者であると強調した。

クリントン陣営の幹部も支援者にメモを回し、ニューハンプシャー州での結果を忘れるように促した。メモには、指名獲得は2月ではなく3月になる可能性が高く、クリントン氏が3月には代議員の獲得数で大きくリードできる立場にあるなどと書かれていたという。

■ケーシック氏に勢いは?

トランプ氏は予備選の伝統的なやり方を無視しながら勝利を収めたが、ケーシック氏は伝統的なやり方にしたがったことで2位に入った。

ケーシック氏はニューハンプシャー州全土で100回の対話集会を開催し、州の隅々まで足を運んだ。

ケーシック氏台頭の最大の要因は、クリス・クリスティー・ニュージャージー州知事が共和党候補者による討論会でマルコ・ルビオ上院議員を追い込んだことによるものかもしれない。クリスティー氏が恩恵を受けることはなかったが、ルビオ氏は勢いを失った。

ケーシック氏にとって、状況は厳しさを増しそうだ。3月15日に投票が行われるオハイオ州では勝てるかもしれないが、それまでにはサウスカロライナ州など厳しい戦いが待ち受けている。

■ルビオ氏には厳しい夜

ルビオ氏はアイオワ州では3位につけた。ニューハンプシャー州で良い結果を残せれば、いわゆる主流派のトップに立てたかもしれなかった。

しかしルビオ氏はケーシック氏にも敗れ、開票率92%の段階では、テッド・クルーズ上院議員、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事の後塵を拝している。(CNN)

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