与党は、2016年度予算案について、29日に衆院を通過させる方針だ。
同日に参院送付し、安倍晋三首相が3月下旬に予定している外遊前の成立を確実にする考え。併せて来週以降、軽減税率導入を盛り込んだ税制改正関連法案の早期処理に全力を挙げる。
衆院予算委員会は15日、首相出席の下、経済などをテーマに集中審議を行う。17日には福島県郡山市と高松市で地方公聴会を開く。予算案採決の前提となる中央公聴会も、与党は23日開催を譲らない構えで、自民党幹部は「採決環境は整いつつある」との認識を示した。
首相は、3月31日からワシントンで開かれる核安全保障サミットに出席する予定。
予算案が今月29日に参院に送付されれば、憲法の衆院優越規定により、参院での議決がなくても3月29日に自然成立する。与党は国会審議を首相の外遊日程に極力影響させない考えだ。
自民党の佐藤勉国対委員長は11日、栃木県小山市での会合で3月の首相外遊に触れ、「どうしても行かさなければいけない。いろんな会議(本会議や委員会)がなるべく早く前に進むように審議している」と語った。
ただ、衆院予算委の審議では、閣僚の不安定な答弁が目立ってきた。突出しているのが岩城光英法相で、環太平洋連携協定(TPP)や、辞任した甘利明前経済再生担当相の金銭問題などに絡む野党側の質問に窮し、審議はたびたび中断。民主党など野党側は攻勢を強めており、与党の思惑通りに進むかは不透明だ。
税制改正関連法案に関しても、野党は徹底審議を求める構え。16日の衆院本会議で審議入りする同法案について、与党は予算案と一緒に参院に送付する方針だが、日程は窮屈で、与野党の駆け引きが激しくなりそうだ。(時事)
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