■証券監査委員会主席更迭、劉士余が登場するが改革に前進を期待できるか
昨夏以来、中国の株式市場から消えたカネは時価にして五兆ドル(570兆円)。
投資家の不満がガス抜きするには「犠牲の山羊」が必要となった。周小川(人民銀行総裁)は逃げ回り、ツケは証券取引監査委員会の肖剛に割り振られた。
2月20日、中国は唐突に肖剛以下六名を「証監委」から更迭、あらたに劉士余(中国農業銀行董事長)を当てると発表した。
劉士余は2006年から14年まで中国銀行幹部、副頭取になり、14年から「中国農業銀行」立て直しのため、銀行制度改革や規制遵守などに貢献したとされる。江蘇省出身、清華大学大学院卒。経済学博士である。
劉士余は記者会見で「規制強化、市場の沈静化にふさわしいルールの適用」などと上からの目線で対応策を述べた。
しかし「短期的に上海市場は持ち直すだろうが、長期的には絶望である」と多くの投資家が予測している(華字紙や香港の英文媒体も、ほとんどが悲観的意見だ)。
ジョージ・ソロスを「仕掛け人」とすり替えて攻撃に忙しい中国だが、人民元安を仕掛けているのはテキサスの豪腕ファンドのキエル・バスらであり、この動きに便乗し手いるのは香港拠点の太子党筋のファンドだ。
ソロスは「私は中国経済のハードランディングは不可避的だと行ったが、これは預言ではなく、実際に目の前に目撃していることだ」と中国からの猛烈な批判に答えている。
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