■ベテランの根回し政治家ケーシックは、オハイオ州予備選では圧勝、急浮上
トランプの快進撃が続いているが、勝ち方が鈍くなって勝率の速度でいえば1976年のフォード以来の悪いペースだという。
3月15日のミニスーパーチューズディで、トランプはフロリダ州を勝ち進み、ルビオを撤退させたが、オハイオ州は落としている。なぜならオハイオ州のジョン・ケーシック知事は、ここで強力な地盤があるからだ。
派手は発言も目立つパフォーマンスもなく、しかししぶとくまだレースに残っている。ところが、誰も注目しなかった。そのケーシックがオハイオ州で代議員66票を獲得したことで、俄に注目が集まった。
と言っても共和党主流派の期待を集めているだけで、大衆の動きとは無縁のことである。
ケーシックはとなりのピッツバーグに生まれ、父親はチェコからの移民。母親はクロアチア。しかしカソリックへの反抗心が青年時代から芽生えていて、宗教活動に熱狂したこともなければ若き日の反戦左翼運動には批判的だった。
学生時代、反戦運動が燃えさかるおり、時の大統領ニクソンに手紙を書いて建言したところ、ホワイトハウスに招かれ、ニクソン大統領自らが若き学生だったケーシックの話に耳を傾けたというのだから、政治的には早くから目覚めていた。
ケーシックは1952年生まれ、63歳。政治家を目指し始めると26歳の若さで下院議員に立候補、以後九期連続当選、連邦議会のベテランである。
2000年にも一度、共和党の大統領予備選にでた。このときの相手はブッシュ・ジュニア、資金が続かず途中で撤退している。
その後、FOXニュースの司会役、地元のリーマンブラザーズの仕事もつとめ、実業界にも貌が広いうえ、2010年に州知事に挑戦して当選を果たし、14年の再選時は支持率が80%だった。
もしケーシック知事が正式候補となってヒラリーとの勝負となれば、ケーシックが47%、ヒラリーが40%と言う調査結果もあり、かれならトランプと違ってヒラリーに勝てる候補という予測も飛び出し、党主流が飛びつくところとなった
そのうえ、今年の共和党大会はオハイオ州の州都クリーブランドで7月18日から開催されるのである。
にわかに浮上のダークホウスといったところであろう。
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