■中国が待つ「摩天楼の呪い」
上海で世界第2の高さを誇る高層ビル「上海中心大厦(上海タワー)」が15日に完工したと新華社電が伝えた。高さ632メートル、128階建てで、天に昇る竜をイメージさせる外観だ。
すぐ隣に地元資本の金茂大厦(421メートル)と、森ビルが建設した「上海環球金融中心(SWFC)」(492メートル)がそびえ、上海の国際金融センターを代表する摩天楼3兄弟になる。
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにあるブルジュ・ハリファの828メートルに次ぐ高さ。地元では6月に開園する「上海ディズニーランド」と並ぶ騒ぎだ。
だが、喜んでばかりもいられない。高層ビルが建設されると、そのタイミングで経済不況が訪れる「摩天楼の呪い」という歴史的なジンクスが待っている。
ニューヨークで1931年完工のエンパイアステートビル(443メートル)は29年からの世界恐慌、マレーシアで98年に完成したペトロナス・ツインタワー(452メートル)は、97年からのアジア通貨危機に重なった。
売れ残った高層住宅の鬼城(ゴーストタウン)が各地で広がり、鋼材や石炭は在庫の山、銀行は不良債権に苦しむ。習近平指導部は国有企業の統廃合など、経済構造改革や個人消費の拡大策で乗り切る計画だ。
中国は摩天楼のジンクスを破れるのか。ヤマ場はこれからだ。(河崎真澄)
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