■白鵬に涙、立ち合い直後の”変化”で異例の謝罪
大相撲の横綱白鵬関(31)=本名ムンフバト・ダバジャルガル、モンゴル出身、宮城野部屋=が27日、大阪市のエディオンアリーナ大阪で行われた春場所千秋楽で、立ち合い直後の変化で横綱日馬富士関に勝ち、4場所ぶり36度目の優勝を決めた。館内で実施された優勝インタビューでは白鵬関が複雑な表情で涙を流し、謝罪を行う異例の事態となった。
白鵬関は日馬富士関を右手でけん制した後で左に動き、相手を土俵下へ出した。横綱同士の熱戦を期待した館内からはやじやブーイングが飛び交う騒然とした雰囲気になり、座布団も飛んだ。
優勝インタビューの最中にもやじを受け、白鵬関は言葉を詰まらせた。そして「ああいう変化で決まるとは思わなかったので、本当に申し訳なく思います」とファンに謝った。館内からは拍手が起き、白鵬関は人目をはばからず目頭を押さえ、手で涙を拭った。
観戦した大阪市の山名真一さん(48)は「強い大横綱の復活が見られると思っていたので残念。最後に水を差された感じ」とため息。白鵬の大ファンという仙台市の倉見昭子さん(31)は「なりふり構わず、勝ちたかったのだと思う。来場所では本来の強さをみせてくれるはず」と擁護した。
白鵬関の父ムンフバト氏は年1度のモンゴル相撲で6度優勝した。白鵬関は年6場所の大相撲に換算して36度の優勝を一つの目標にしており、「これで父と並んだ」と話した。インタビューを終えて戻った土俵上でも、タオルで目頭を押さえるなど珍しい光景があった。
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