20646 ブリュッセル市民、なお不安の日々   ウオールストリートジャーナル

■テロ追悼の場で極右と警察が衝突   
 

【ブリュッセル】フィンランド人のハッリ・ ベイボさん(46)は27日、ブリュッセル中央駅の売店に入り、テロの犠牲者を追悼する広場でささげるためのベルギー国旗を購入した。22日朝にベイボさんが地下鉄に乗っていた時、1両前の車両で過激派「イスラム国(IS)」の自爆犯とされるハリド・バクラウィ容疑者(27)が爆発物を爆発させた。

この爆発でベイボさんは、寄りかかっていたドアが吹き飛んだため線路に投げ出された。100万人以上のブリュッセル市民は、国内育ちのテロリストに地元が攻撃されたというトラウマを抱えて暮らさなければならず、ベイボさんもその一人になった。この地下鉄に乗り合わせたベイボさんと同様、ブリュッセル市民は通常の生活に戻ろうとしている。

27日、ブリュッセル中心部には、同時テロの犠牲者を追悼するため大勢の人々が集まった。ここに極右の数百人が押し寄せ、警察が放水で排除する一幕もあった。

一方で、ベルギー当局は逃走している残りのテロ容疑者の捜索を続けている。24日にはパリで別のテロ計画の容疑者が拘束された。ブリュッセル市民はこうした中で晴天のイースター(復活祭)サンデーを迎えた。18年間ベルギーに住んでいるベイボさんは、ブリュッセル証券取引所前の自然発生的に生まれた追悼広場に向かった。ここでは花と共に国旗を手向けるために家族が待っていた。ベイボさんは「もっと早く来るべきだと思っていた」と言っているが、けがをした下唇には血がこびりつき、目の回りには細かい傷がある。耳には今も爆発音が響いているという。

ブリュッセル中心部の大広場グランプラス周辺の中世のたたずまいの通りには、数百人に上る暴動鎮圧用の装備をした警官や機関銃を携行した兵士が警戒に当たっていた。近くのホテル「カルフール・ド・ルーロップ」のフロント係によると、同ホテルでは予約客の約3分の2がキャンセルした。中心部の他のホテルも同じような状況だという。

ろうそくや花束をささげるために多くの人々が集まった証券取引所前の広場は27日午後、一時緊張に包まれた。当局は他の地域の警戒に人手が割かれていることを理由に、テロに屈しない姿勢を示すデモ行進の計画を保留するよう要請していた。しかし、ナチ式の敬礼をする黒装束の数百人の集団がろうそくや花束を蹴散らして広場に行進してきたため、機動隊が取り囲み、放水をして排除した。

近くの教会で行われたミサの帰りに菓子を買うために売店に立ち寄ったマドリン・オグズさん(29)は「例年ならイースターエッグを持った子供たちがいるのに、きょうは警官や兵士ばかり」と話し、今年のイースターサンデーはいつもとは違うと嘆いた。

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