20659 「お香」を焚くのは、京都の老舗で覚えた   古沢襄

二、三日前から「お香(おこう)」を焚いている。仏壇の引き出しにあったものなので、香りが飛んでしまっていないかと懸念したが、上品な香りを放ってくれている。

蚊いぶしのために蚊取り線香を使かっているが、強い匂いで人間まで燻される。何かよい知恵がないかと考えて、お香を焚いてみた。蚊取り線香とお香のダブル煙で参ってしまうとも思ったが、匂いには悪臭を消す力がある。

戦前はくみ取り式の便所だったので、匂い対策で工夫が施されていた。いまは水洗式なのでスーパーで芳香剤を買ってくれば事足りる。だが居間にトイレの芳香剤を置いておくのもどうなのかな?

そこで居間と玄関に「お香」を焚いてみることにした。

わが家には二種類のお香があった。お香を焚く道具も二種類。小さいお香と道具が本物なのだろうが、いまは大きいお香入りの線香を使っている。

「お香」を焚くのは、京都の老舗で覚えた。何ともいえない上品な香り。わが家のものは、それには及びもつかないが、日本には古来、香りの文化がある。

NHKの大河ドラマ・真田丸が評判だが、私は幸村よりも木村重成の最期に心を惹かれる。

討ち死した重成の首実検で、その頭髪に香が焚きこめてあった。家康がその覚悟を感嘆したという。

重成の首は密かに彦根まで持ち帰り、宗安寺に埋めたといわれる。寺には木村重成の首塚がある。

<a href="http://www.kajika.net/">杜父魚文庫</a>

コメント

タイトルとURLをコピーしました