20685 甘くしていては、人は育たない   古沢襄

わが家の庭にメジロが飛来するようになって、庭師の人から教えられたことを想い出している。

垣根とは違って、単独の花木をうまく育てるには、思い切って切ることが必要だと言われた。素人は花木を大きく育てようとする。

人それぞれだから、私も最初は肥料をたっぷりほどこし、大きく育てようとしたが、それがうまくいかない。

下枝は太くたくましくなり、山つつじなどは毎年きれいな桃色の花を咲かせてくれる。だが上枝もグングン伸びるのだが花が貧弱。枝も細くて頼りない。

メジロは太い枝を飛び移りながら、花芽の蜜を吸っていた。細い上枝は足場が不安定だから行こうとはしない。花芽も貧弱。

メジロに見捨てられる枝を伸ばしても仕方ない。人の鑑賞にもたえないと気づいてから、貧弱な上枝をみつけては切ることにした。

花木が根から吸い上げる養分のこと考えると、花木の上枝を思い切って切ることが必要なのだ。あれもこれもと高望みは禁物。

何か、人の育て方にも通じる教訓ではないか。甘くしていては人は育たない。それは本人のためにもならない。

 
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