【ミルウォーキー(米ウィスコンシン州)=黒見周平】米大統領選は5日夜(日本時間6日午前)、中西部ウィスコンシン州で共和、民主両党の予備選の開票が行われた。
米メディアによると、共和党は保守強硬派テッド・クルーズ上院議員(45)が不動産王ドナルド・トランプ氏(69)を大差で破り、勝利を確実にした。
「トランプ旋風」の勢いが弱まったことで、指名獲得の決着は7月の党大会まで先送りされる可能性が高まったとの見方が出ている。
CNNテレビによると、開票率81%でクルーズ氏が得票率49・2%、トランプ氏は同34・1%。ジョン・ケーシック・オハイオ州知事(63)は同14・2%。ウィスコンシン州の42人の代議員数の大半はクルーズ氏が獲得する見通しだ。
トランプ氏は獲得代議員総数でリードしているが、指名獲得に必要な代議員過半数1237人に到達するには、残りの代議員の6割超を得る必要がある。同州では、代議員42人のうち30人前後を獲得することが前提だっただけに、このまま失速が続けば過半数獲得は厳しい。クルーズ氏は5日夜、ミルウォーキーで演説し、「今夜がターニングポイントになる」と語った。
「反トランプ」で結束する党内主流派は、クルーズ氏支援を加速。指名候補争いでは早々に撤退したものの、州内で人気の高いスコット・ウォーカー知事がクルーズ氏の支持を表明したことも、追い風となった。
トランプ氏は「人工妊娠中絶を行った女性は罰せられるべきだ」などの発言で女性団体から批判が相次いでいた。逆風が強まる中、選挙戦には妻のメラニアさんを投入して挽回を図ったが、及ばなかった。
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民主党では、バーニー・サンダース上院議員(74)が、ヒラリー・クリントン前国務長官(68)を破り、勝利を確実にした。開票率91%の段階で、サンダース氏が得票率56・3%、クリントン氏は同43・4%。
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