20723 カラスは悪役 嫌われもの   古沢襄

朝から関東は横殴りの雨。庭の敷石を叩く雨の音。わが家の北東角には黒椿の大きな木を植えてある。気になるので、見てみたら黒椿の花がどっさり地面に落ちていた。

黒椿も好きだが、頂戴した「佗助(わびすけ)」も大切にしている。五月いっぱい華麗な花を咲かせてくれている。

大きな黒椿が盾となって、佗助を守っているから佗助の花は横殴りの雨でもあまり落ちていない。

”つばき”は古事記で「都婆岐(つばき)」と表現されているから歴史が古い。”椿”の字は「万葉集」で初めて登場している。日本人好みの花。

十時になったら雨足も落ちてきた。まだスズメもメジロも姿をみせない。ねぐらで雨がやむのを待っているのだろう。

適当な”お湿り”は大いに歓迎なのだが、やはり鳥が飛んできてくれないと、何となく物足りぬ。

花鳥風月(かちょうふうげつ)を愛でる心は、日本人が古来、尊んできた風流心。

でも大都会でカラスが群がって、食べ物店の残飯をあさる姿をみると、風流心も消え失せる。カラスは悪役。嫌われもの。

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