■「パナマ文書」をめぐる国際政治の奇々怪々
世界に衝撃を運んだ「パナマ文書」だが、アメリカ人富裕層の名前が見あたらないことがまず不思議と指摘された。
ついで不可解なのはCIAの工作資金に従事したはずの多くの工作員、ならびに工作資金の解明がちっとも進んでいない点が浮かんできた。
パナマの法律事務所「モサック・フォンサカ」をCIAは利用していたはずだという推測記事を書いたのは第一報を伝えた『南ドイツ新聞』(4月12日)である。
1980年代にCIAが進めた工作事件は「イラン・コントラ」で、イランの人質解放とニカラグアの武装勢力への資金提供工作は有耶無耶のうちに幕引きされているが、同紙によれば、多くの工作員がパナマの代理店を通じて資金を調達し、あるいは秘密工作資金を、このルートで送金した筈であるという。
「CIAの関連エージェントの名前がない変わりに、パナマ文書にはサウジアラビア、コロンビア、ルワンダの秘密工作員が関与した存在がある」。
とくにシーカ・アマル・アドハムというサウジアラビアの代理人は中東のCIAの関連エージェント幹部として知られたが、99年に死亡している。
これらのリストがパナマ文書にはないという。
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