■カーター国防長官。南シナ海の空母に乗艦し戦闘機の着艦などを視察した
香港(CNN) 米国防総省は16日までに、カーター国防長官が中国などの沿岸国・地域間で主権論争が高まる南シナ海で作戦遂行中の空母「ジョン・C・ステニス」に乗艦し、艦載の戦闘機FA18型機の着艦などを視察したと述べた。
同省のクック報道官は同空母での着艦の模様などをとらえたビデオ映像をツイッターに載せた。カーター長官の15日のステニス乗艦はフィリピンを含むアジア、中東諸国歴訪の一環で、事前に明らかにしていた。
長官はこれより前、米軍との毎年の共同軍事演習を行ったフィリピンを訪れ、ガズミン同国国防相らと中国の軍事化加速で緊迫する南シナ海情勢を協議。両首脳は共同記者会見で、同海で既に着手した共同監視作戦を強化する軍事協力の拡大を発表した。
米軍航空機や整備士らの要員約200人が演習終了後も比クラーク空軍基地にとどまり、共同訓練や空域監視、海上哨戒に当たる計画も公表。両国はまた、比国内の5カ所にある軍関連施設の改善でも合意し、米国はこの用途で4200万ドル(約46億円)の資金援助を申し出て、一部は既に拠出したという。
カーター氏は記者会見で、南シナ海周辺で中国の行動が危惧されていると明言。この問題に関する米国の立場は極めて明快とし、平和的かつ法に従った解決方法を模索すべきだと強調した。
ガズミン比国防相は米国の軍事的な存在感は中国による不必要な行動の阻止に寄与すると評価した。
一方、中国の国営新華社通信は米国は南シナ海問題で中国の対立国に一方的に肩入れしていると批判。その上で、力の誇示や独断的な介入を行っても主権と海洋の権利を守る中国の決意は揺るぐことがないとの論評を掲載した。
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