20822 足元でも大地震が忍び寄ってくる   古沢襄

九州博多に三年いたので、いまの熊本大地震が他人事とは思えない。だが、いまいわれている布田川・日奈久断層帯が、この時期に何故動いたのか?。

NHKは政府の地震調査委員会が「布田川断層帯」という活断層帯のうち、北東側の一部がずれ動いて起きたと考えられるという見解をまとめたと報じた。

活断層帯がいまになって動いた理由、原因については、いまひとつ納得できる説明がないように思う。日本全国の活断層帯は主要なものだけでも98、そのメカニズムを解明する困難さを示している。

このうち関東は①東京湾北縁断層②鴨川低地断層帯③関谷断層④関東平野北西縁断層帯⑤元荒川断層帯⑥荒川断層⑦立川断層帯⑧伊勢原断層⑨神縄・国府津-松田断層帯⑩三浦半島断層群⑪北伊豆断層帯・・がある。

母の里、信州では長野盆地西縁断層帯(信濃川断層帯)が知られている。1100 – 1300年周期の活動が繰り返されていると考えられ、直近の最も大きな活動は、1847年善光寺地震がある。

善光寺地震 M7.4 では飯山-千曲区間が活動し、断層の西側が東側に対して、2 – 3m程度隆起(逆断層)したと推定されている。

付近で発生した近年の地震。1965年から松代群発地震。但し、信濃川断層帯の活動では無い。

いずれにしても九州熊本の大地震に目を奪われていると、足元でも大地震が忍び寄ってくることを忘れてはならない。

■「布田川断層帯の一部ずれ動き発生か」地震調査委 NHK

16日未明に熊本県で発生したマグニチュード7.3の大地震について、政府の地震調査委員会は、現地調査やその後の地震活動などから、「布田川断層帯」という活断層帯のうち、北東側の一部がずれ動いて起きたと考えられるという見解をまとめました。

16日、熊本県で発生したマグニチュード7.3の大地震を受けて、政府の地震調査委員会は、17日、臨時の会合を開き、震源の近くを北東から南西方向に延びる「布田川断層帯」との関連などについて検討しました。

この中では、これまでの現地調査で、震源地に近い熊本県益城町でおよそ10キロにわたって活断層がずれ動いて出来たとみられる地表の段差やひび割れが確認され、変化の大きさは、水平方向に最大で2メートルほどだったことが報告されました。

痕跡は、「布田川断層帯」のうち、北東側の長さおよそ19キロの「布田川区間」という断層帯に沿っているということです。

また、大地震の後に起きている地震を分析した結果、多くが「布田川区間」の周辺や「布田川断層帯」に沿うように起きていることなどが報告されました。一方、GPSのデータや地震の規模などから、ずれ動いた活断層の長さは30キロ近くと推定されることが報告されました。

こうしたことを受けて、地震調査委員会は布田川断層帯の「布田川区間」が、これまで考えられていたより北東側へ数キロ程度延びているとしたうえで、16日の大地震は、この「布田川区間」がずれ動いて起きたと考えられるという見解をまとめました。

一方、16日の大地震のあと、熊本県の阿蘇地方や大分県など、離れた場所でも地震活動が活発になっていることについては、何らかの影響はあったとみられるものの、どのような関連があるかは評価できないとしました。

地震調査委員会の委員長で東京大学地震研究所の平田直教授は「熊本県を中心とする九州での地震活動は、依然として収まっておらず、今後も震度6弱程度の地震が起きる可能性がある。引き続き強い揺れを伴う地震に警戒してほしい」と話しています。

■活断層、日本に2000以上 どこでも大地震が起こる恐れ ウイキペデイア

 
日本全国で活断層は二〇〇〇以上あるから、どこでも大地震が起こる恐れが存在している。九州だけの話ではない。

熊本県で発生した今回の地震は、活断層で起きたとみられる。活断層は、過去に地震を起こした形跡があり、将来も地震を起こす可能性がある断層だ。日本には2千以上の活断層があり、全国どこでも大きな地震が起こる恐れがある。

日本では、東日本大震災や南海トラフで繰り返されてきた海溝型の巨大地震だけでなく、1995年の阪神大震災(M7・3)、2004年の新潟県中越地震(M6・8)、14年の長野県北部の地震(M6・7)など、内陸での活断層型地震が繰り返されてきた。

陸域が震源となる活断層型の地震は、人が住む地域や交通網などの直下で起きることがある。このため、強い揺れや地表にできる段差で、地震の規模が海溝型地震ほど大きくなくても、深刻な被害が起きる恐れがある。

政府の地震調査委員会は、全国の活断層のうち97を主要活断層として、地震が起きた場合の規模、30年以内に地震が起きる確率などを示し、警戒を促してきた。

熊本の地震を起こした日奈久(ひなぐ)断層帯も布田川(ふたがわ)断層帯もその一つだ。しかし、00年の鳥取県西部地震(M7・3)や08年の岩手・宮城内陸地震(M7・2)のように、地震前には確認されていなかった「未知の活断層」で起きる例も相次いだ。

活断層による地震は、1千年から数万年の間隔で発生するものが多い。防災科学技術研究所の藤原広行部門長(地震学)は「活断層の中には、地表には痕跡が現れにくいものや、長い年月で痕跡が消えてしまったものもあり、活断層が見つかっていない地域でも注意が必要だ」と話す。

■今後も大きな地震のおそれ 十分注意を  NHK

熊本県では、16日のマグニチュード7.3の大地震のあと、熊本県での地震活動の範囲がそれまでよりも南西側に広がっていて、この場所には「日奈久断層帯」という活断層帯がのびています。

これについて地震調査委員会の委員長で、東京大学地震研究所の平田教授は、17日の臨時の会合後の記者会で、科学的に影響を評価することはできないとしたうえで、「3日前に発生したマグニチュード6.5の地震の2日後に、隣接する布田川断層帯の一部がずれ動きマグニチュード7.3の地震が起きたという事実を見ると、今後、日奈久断層帯でも同じようなことが起きる可能性もあると考えておくほうがよい」と指摘しました。

そのうえで、「地震活動は依然として活発で、九州地方では、今後も、マグニチュード7に近いような規模の地震が起きるおそれがあると考えて、引き続き、強い揺れなどに十分注意してほしい」と述べました。

■関東の活断層帯

地震調査研究推進本部では、社会的・経済的に大きな影響を与えると考えられ、マグニチュード(M7)以上の地震を引き起こす可能性のある主要活断層帯(基盤的調査観測の対象活断層帯)について、個別に長期評価を行ってきました。
 

しかし近年、M7未満の地震や主要活断層帯以外の地震によっても被害が生じていることから、ある地域の地震危険度を検討するためには、個別の活断層を評価するだけでなく、その周囲の活断層も含めて総合的に評価する必要があることが明らかになってきました。

これを受けて、地震調査研究推進本部では、

・対象地域に分布する活断層で発生する地震を総合的に評価する「地域評価」の導入
・評価対象とする活断層の見直し
・地表の長さが短い活断層における、地質や地球物理学的情報を用いた地下の震源断層の位置・形状(長さなど)の評価等を含めた新たな評価手法をとりまとめました(活断層の長期評価手法(暫定版)(平成22年11月25日))。

こうした新たな評価手法に基づき、陸域及び沿岸海域に分布し、M6.8以上の地震を引き起こす可能性のある活断層について、対象とする地域ごとに総合的に評価したものを「活断層の地域評価」と呼んでいます。

○関東地域の活断層の長期評価 (図中の番号をクリックすると、評価文へリンクされます)

 
関東地域において詳細な評価の対象とする活断層のずれの向きと種類及び関東地域で発生した被害地震の震央 関東地域(評価対象地域)において評価対象とした活断層の分布

1:関谷断層 5:太田断層 8:越生断層 12:伊勢原断層 14:曽根丘陵断層帯 18:伊東沖断層

2:内ノ籠断層 6:長野盆地西縁断層帯 9:立川断層帯 13-1:塩沢断層帯 15:富士川河口断層帯 19:稲取断層帯

3:片品川左岸断層 7-1:深谷断層帯 10:鴨川低地断層帯 13-2:平山-松田北断層帯 16:身延断層 20:石廊崎断層

4:大久保断層 7-2:綾瀬川断層 11:三浦半島断層群 13-3:国府津-松田断層帯 17:北伊豆断層帯 21:糸魚川-静岡構造線断層帯 

■詳細な評価の対象とした活断層

01 関谷断層PDF (2.5 MB) 平成27年4月24日
平成27年11月27日訂正
02 内ノ籠断層PDF (0.2 MB) 平成27年4月24日
03 片品川左岸断層PDF (0.2 MB) 平成27年4月24日
04 大久保断層PDF (0.5 MB) 平成27年4月24日
05 太田断層PDF (0.5 MB) 平成27年4月24日
06 長野盆地西縁断層帯PDF (2.8 MB) 平成27年4月24日
平成27年11月27日訂正
07 深谷断層帯・綾瀬川断層PDF (5.0 MB) 平成27年4月24日
平成27年11月27日訂正
08 越生断層PDF (0.2 MB) 平成27年4月24日
09 立川断層帯PDF (3.4 MB) 平成15年8月7日
10 鴨川低地断層帯PDF (1.5 MB) 平成16年6月9日
11 三浦半島断層群PDF (4.6 MB) 平成14年10月9日
12 伊勢原断層PDF (2.6 MB) 平成16年3月10日
13 塩沢断層帯・平山ー松田北断層帯・国府津ー松田断層帯PDF (4.2 MB) 平成27年4月24日
平成27年11月27日訂正
14 曽根丘陵断層帯PDF (4.6 MB) 平成18年12月18日
15 富士川河口断層帯PDF (5.8 MB) 平成22年10月20日
16 身延断層PDF (0.6 MB) 平成27年4月24日
17 北伊豆断層帯PDF (4.1 MB) 平成17年2月9日
18 伊東沖断層PDF (0.2 MB) 平成27年4月24日
19 稲取断層帯PDF (0.5 MB) 平成27年4月24日
20 石廊崎断層PDF (0.4 MB) 平成27年4月24日
21 糸魚川ー静岡構造線断層帯PDF (6.4 MB) 平成27年4月24日
平成27年11月27日訂正

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