20830 クリントン氏、大票田のNY州で逃げ切り   ウオールストリートジャーナル

【ニューヨーク】11月の米大統領選に向けた民主・共和両党の候補指名争いは19日、ニューヨーク州で予備選が行われ、民主党はヒラリー・クリントン前国務長官が逃げ切った。対立候補のバーニー・サンダース上院議員(バーモント州)が党の指名を獲得する望みはさらに遠のいた格好だ。

開票率85%の時点でクリントン氏の得票率は57%、サンダース氏は43%となった。

クリントン氏は夫で元大統領のビル・クリントン氏と一緒にステージに上がると、喝采を送る支持者に向けて、「民主党の指名争いは最後の直線コースに入っている。勝利は目前だ!」と述べた。

クリントン氏はすでに本選を視野に入れており、サンダース氏に対する批判的な発言はほとんどなかった。「サンダース氏を支持するみなさん。私たちを分裂させるより、まとめるもののほうが多いと私は確信している」とし、本選へ向けて党を統一していくための、おそらくは長い道のりになるであろうプロセスに踏み出すことを促す発言をした。

ブルックリン出身のサンダース氏は同州での選挙活動に力を入れてきたが、同州選出の上院議員を8年務めたクリントン氏にはかなわなかった。サンダース氏は今回のニューヨーク州予備選前の9つの予備選・党員集会で8勝をあげてきたものの、いずれも割り当てられた代議数が少数の州だったため、獲得代議員数では引き続きクリントン氏に大きく水をあけられている。 

ニューヨーク予備選前にクリントン氏が獲得していた代議員数は1289人だが、これに党大会でどの候補にも投票できるスーパー代議員を含めると、その数は1758人に跳ね上がる。一方、サンダース氏の代議員数はスーパー代議員を含め1076人だ。候補指名に必要な数は2383人。

すべての州・地域で得票数に応じた代議員の比例配分制をとっている民主党の場合、ニューヨーク州予備選が終わった今、残る大票田はわずか3州しかない。26日にペンシルベニア州で予備選が行われた後、他の2州(カリフォルニア、ニュージャージー)の予備選は6月になる。

一方、ライバルのサンダース氏は敗北を喫したものの、撤退の意向はないようだ。サンダース陣営は今後も選挙戦を続ける意向であることと、クリントン氏がサンダース氏に対してしつこい言動を続ける限り、クリントン氏への鋭い批判もやめないと明言している。このため指名争いは長期戦にもつれこむ可能性が高いとみられおり、クリントン氏の指名を「当然のこと」とし、候補者を絞って党をまとめていきたと考えている同氏の支持者らの間には懸念も出ている。 

サンダース氏の妻でアドバイザーでもあるジェーン氏は「私たちはクリントン陣営から皮肉や軽蔑的なことや屈辱的なことを数多く言われた。(クリントン氏)自身からも、その代理人からも」と述べた。「彼(サンダース氏)はただ座って反論しないなどということはない」

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