(CNN) 英王室所蔵の冠に飾られている巨大ダイヤをめぐり、インドから返還を求める動きが出ている問題で、同国政府は21日までに返還に向けた「あらゆる可能な努力」を行っているとの立場を改めて示した。
このダイヤは「光の山」を意味する「コーイヌール」という名で呼ばれ、大きさは105.6カラット。
英王室によればインドのゴルコンダ鉱山で掘り出され、その所有権は「ムガールの王子たちやイランの戦士たち、アフガニスタンの支配者やパンジャブのマハラジャたち」を経て、1849年に英国に移ったという。その後、ブリリアントカットに再カットされ、現在では皇太后の冠に飾られてロンドン塔で展示されている。
インドでは、ある非政府組織(NGO)がこのダイヤの返還を求める訴えを起こしており、最高裁が審理を行っている。
現地メディアの報道によれば、ランジット・クマル法務次官は最高裁に対し、ダイヤは「盗まれたわけでも強制的に持ち去られたわけでもなく」パンジャブの領主たちから東インド会社へ「贈られたものだ」と述べたという。
だがインド文化省は19日に声明を出し、次官の見解はインド政府を代表したものではないと明言。政府は「コーイヌール・ダイヤモンドを友好的な形で取り戻すべくあらゆる可能な努力を続けている」と述べた。
このダイヤの返還を求める声は数十年前から、インドだけでなくパキスタンからも上がっている。
2年前のモディ首相就任後、インドは世界各地から歴史的な美術品を取り戻している。ドイツからは10世紀のドゥルガー女神像を、カナダからは900年近く前の女性像が返還された。
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