20847 ソロス、またまた中国に深刻な警告。「いずれ破局を迎える」   宮崎正広

■資金注入は「放物線サイクル」を描き、年内に激しく直地するだろう

ソロスがまた吠えた。

4月22日、ニューヨークで開催されたアジアソサイアティで記念講演に立ったジョージ・ソロスは「銀行預金より貸し出しが多い」という初歩的な疑問から「中国が銀行間の貸しだしをしなければならない現状は『不安定』と『不確実』な状況をさらに悪化させる」とした。

16年があけて、第一四半期だけでも4兆元を市場にぶち込んだが、裏付けとなる国債をだしたわけでもなく短期政府証券をだしたわけでもなく、外為の相対取引はなかった(というより外貨準備は同時期に大幅に減ったのだからドルと人民元の相対取引で国内に人民元を供給することはできない)。

つまり『裏付けのない貨幣をばらまいた』ことになる。

三月だけで、新規貸し出しは2兆3400億元(邦貨換算=42兆円強)。主目的は不動産バブルをいま一度煽るためであろう、と推測できる。

国有銀行のかかえる不良債権を表面化させない目的と倒産寸前の企業にカンフル注射を打っているわけだ。

「このような潜在的不良債権の水ぶくれは、危機をますます深化させて行くだろう」とソロスは警告を続けた。

「不動産価格を無理矢理上昇させる行為は、放射線上に投げた物体がいずれ着地するように、いまより深い傷となることは明白だ」とソロスは例え話をつづけ、米国のサブプライムローンの破綻と酷似するパターンが、ますます悪化をつづけてゆく、とした。

2016年3月末の中国外貨準備は3兆2100億ドル、過去一年間に中国から去った外貨は5170億ドル。
 

中国は明確に外貨流失を阻止する規制を強化している。

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