■取材予定は突然キャンセル 9日ついに大会公開も10分だけ
北朝鮮は朝鮮労働党大会で、約120人もの海外メディアを受け入れたが、自由な取材を許さず、肝心の大会取材をようやく9日になって認めるまで、徹底的な情報管理を続けた。
9日には英BBC放送の記者が報道内容をめぐり当局に拘束されていたことが判明。北朝鮮の閉鎖性を浮かび上がらせている。
朝鮮労働党は9日になって、党大会を一部外国報道陣に公開したが、それも人事が発表される場面の約10分間だけだった。
同日までに許された取材先は高層住宅街の「未来科学者通り」や電線工場、産婦人科病院など、金正恩(キム・ジョンウン)氏の肝いりで整備された施設ばかり。欧米メディアは「閉ざされた扉の向こうで始まった党大会」(AP通信)と情報統制を報じていた。
「BBC記者、拘束される」の報が流れたのは9日午後。ロイター通信などは、訪問先の病院の「信憑性(しんぴょうせい)」に疑問を挟むなどした報道が当局に疑念を示されたもようだと伝えている。
日本のテレビ局も取材予定が突然キャンセルされるなどの混乱ぶりをリポートした。新聞社では毎日新聞と日経新聞が平壌発の記事を掲載。産経新聞は取材申請のため、4月末から中国・北京の北朝鮮大使館へ問い合わせを続けたが、「担当者不在」などで連絡が取れなかった。
上智大の碓井広義教授(メディア論)は「視聴者は北朝鮮が見せたい映像を見せられている。メディアコントロールされているともいえる」と話す。
ラヂオプレス(RP)によると、1980年の前回大会は平壌放送が実況中継した。8日までの報道ぶりは、北朝鮮に近い国のメディアも事情は同じ。ロシア国営イタル・タス通信が北朝鮮当局による外国メディアの扱いを逐一報道。中国国営新華社通信も、正恩氏の党大会での発言内容などについて北朝鮮メディアを引用する形に終始していた。
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