11月の米大統領選挙本選での対決が確実視されている民主党のヒラリー・クリントン氏と共和党のドナルド・トランプ氏。ただ「ヒラリー」も「ドナルド」も、赤ちゃんに付ける名前では間違いなく敗者だ。
米社会保障局が6日発表した2015年の赤ちゃんの名前人気ランキングでは、ヒラリーとドナルドは、いずれも過去最低ないしそれに近い水準ほどに敬遠されていた。
男子の名前でドナルドは441位。命名されたのは690人で、少なくとも1900年以来の最低を記録した。
ドナルドは20世紀中はほぼ一貫して人気の高い名前の1つで、90年間にわたって上位100位にランクインしていた。ピークだった1934年には3万0405人に命名され、第6位となっていた。しかし1990年代初めに入って後退し始め、その後は右肩下がりとなっている。
ヒラリーの人気はさらに低く、上位100位には顔を出さず、命名された女児は136人にとどまった。
名付けの専門家によると、ドナルドはあまりにありふれた名前で、トランプ氏のような強烈な個性の持ち主でも、命名の数に大きな影響力を及ぼすことはない。だがヒラリーは珍しい名前で、クリントン氏が民主党大統領候補の本命となったことが命名に影響を与えたと思われるみられる。
ヒラリーが上位1000位に初めて登場したのは1963年で、その時は863位だった。その後じりじりと上昇し、ビル・クリントン氏が大統領選に勝利した1992年には132位に躍進した。ただ、その2年後には566位に下がっている。
ヒラリーはそれ以降も順位を下げ続け、2007年には961位に落ち込んだ。だが、クリントン氏が初めて大統領選に出馬した08年には722位にまで戻した。
インターネットが普及する前は、親は赤ちゃんの名前を大統領など著名政治家にあやかるケースが多かった。
ただ、米国名前協会の理事長だったクリーブランド・エバンス氏によれば、「(弾劾で辞任に追い込まれた)ニクソン大統領以降には現職大統領の名前を子供に付けるのはスマートとは思われなくなっている」側面もある。
バラク・オバマ氏が2009年に大統領に就任して以降、バラクが人気番付で上位1000位に登場したことはない。昨年はバラクと名付けられたのは8人だけだった。
昨年の人気名前番付第1位は女児がエマ、男児がノアで、いずれも2年連続のトップだった。また、クリントン夫妻の娘チェルシー・クリントンさんの娘や、英ウィリアム王子とキャサリン妃の長女にちなんだシャーロットが第9位で、前年から1つ順位を上げた。
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