20982 News Up サミット直前 厳重警戒の影響は   NHK

「伊勢志摩サミット」が5月26日から始まるのを前に、各地でテロ対策が進められています。駅のゴミ箱が撤去されるなど、生活への影響もしだいに広がり、インターネットでは「不便だ」という声も聞かれるようになっています。テロ対策による厳重警戒の影響はどこまで広がっているか、取材しました。

■広い地域で“厳戒態勢”

サミットの開催が近づき、駅や街中などで警察官の姿をよく見かけるようになりました。警察は三重県志摩市の会場周辺では、2万3000人態勢で警備に当たるなど、国内のサミットとしては過去最大規模の警備態勢をしいています。東京都内でも皇居や大使館といった重要施設の周辺などでは24時間、検問が行われるほか、会場周辺の高速道路などで交通規制も行われます。

■市民生活に影響も

大規模な警備による生活への影響も徐々に広がっています。鉄道各社は爆発物などへの備えとして、駅のゴミ箱を撤去したり、コインロッカーを封鎖するなどの対策を取っており、JR東日本ではコインロッカーだけでなく、25日からは東京駅に3か所ある手荷物の一時預かり所も休止します。

東京・豊島区では、池袋駅周辺の公園に設置されたトイレや公衆トイレ、合わせて14か所を、5月13日から30日までの間、使えないように封鎖しています。

■デパートも休みに

さらに、こんなところにも影響が。

大阪・此花区にある関西有数の観光スポットの1つ、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」では、サミットの期間中、入場者の手荷物検査を、オープン以来初めて実施します。

さらに大阪・阿倍野区にある日本一高いビル、「あべのハルカス」に入っているデパートは、サミット期間中の臨時休業を決めました。なぜデパートまで休業?理由について近鉄百貨店は、サミットの会場のホテルを近鉄グループが運営していることや、大阪を代表するビルとしてテロに警戒する必要があると説明しています。

こうした取り組みについてツイッターでは、「ゴミ捨てられないのは不便」「コインロッカーが使えず、ずっと荷物を持ち歩くのは重たい」といった不満を訴える意見が多く、「日本中禁止だらけ」「やり過ぎでは?」という意見もありました。

■なぜ離れた場所や駅の対策が必要?

テロ対策に詳しい日本大学の河本志朗教授は、「サミットには過激派組織IS=イスラミックステートが標的とする各国の首脳が集まっており、テロのリスクは確実に高まっています。最近は大勢の人が集まる『ソフトターゲット』が狙われるケースが多く、鉄道事業者などが対策を取ることは必要です」と指摘します。

また、2005年にイギリスで開かれたサミットでは、開催地から約570キロ離れた首都・ロンドンでテロ事件が起きたことを引き合いに、会場から離れた東京や大阪などでもテロの危険性はあるとしています。

そのうえで、「サミットの期間中は、いつもの日本とは全く違うということを認識する必要があります。自分たちがテロに狙われているかもしれないということを考えるきっかけにしてほしい」と話しています。

インターネットには、不満だけでなく、「巻き込まれて死ぬよりはマシ」、「多少不便でも対策をしっかりお願いしたい」といった意見もありました。

「テロの脅威」は日本ではふだんあまり意識をすることがないかもしれませんが、世界では各地でテロは頻発し、多くの人が犠牲になっています。今回のサミットは、日本でも改めて平和や安全を考えるきっかけにもなりそうです。

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