加瀬英明

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15828 集団的自衛権どころか個別自衛権もない日本    加瀬英明

集団的自衛権の行使を禁じてきた、憲法解釈を緩和するのをめぐって、紛糾しているが、日本が成熟した国だと、とうてい思えない。国連憲章の51条は、それぞれの加盟国が「個別的又は集団的自衛権の固有の権利」を、持っていることを認めている。日本は戦後憲...
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15810 巨大化する中国に幻惑されるアメリカ  加瀬英明

■アメリカが中国に靡(なび)いている昨年、中国の貿易総額が4兆1千6百万ドルに達し、アメリカの4兆ドル弱をはじめて上回って、世界一となった。アメリカは8年前まで127ヶ国にとって最大の貿易相手だったが、今では76ヶ国にまで減り、中国が124...
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15772 ニュー・ミドルイースト(新しい中東)が生れる    加瀬英明

いま、中東の枠組が壊われて、「新しい中東」が出現しようとしている。 今日の中東の国境線は、トルコ帝国が北アフリカまで支配していた広大な領土を第1次世界大戦に敗れて失い、イギリス、フランスなどのヨーロッパ列強が分割したことによって引かれた。そ...
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15771 オバマ外交の躓きはイラン融和から始まった   加瀬英明

たった3年前まで、オバマ政権は順風満帆であるようにみえた。オバマ政権は4年前にチュニジアで、“アラブ民主革命”が始まると、“アラブの春”が中東に民主主義をもたらすことになると、期待した。アル・カイーダは退潮にあった。その前年、オバマ大統領が...
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15632 アメリカはなぜ世界中にお節介を焼くのか   加瀬英明

本誌(昨年12月号)に、「アメリカが理想主義を対外政策にすえて、世界に介入するのは、アメリカが2つの広大な海によって守られている島国だからだ」(『地図をひろげて世界のありかたを学ぶ』)と書いたところ、読者からもっと説明してほしいという求めが...
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15420 反日が募る韓国をどうする?    加瀬英明

韓国の朴槿惠大統領の“反日熱”が、いささかも癒えない。就任以来、諸国を巡って首脳会談を行うたびに、「日本が歴史を歪曲している」と、悪態をついてまわってきた。まるで、手に負えない駄々っ子のようだ。困ったことに、日本を糾弾するたびに、韓国国民が...
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15290 オバマ大統領の支持率低下が日米関係に落とす「影」 加瀬英明

昨年暮れにワシントンに戻って、12月22日に帰京した。半年ぶりだった。オバマ大統領はまだ任期が3年もあるというのに、支持率が急落して、ウォーターゲート事件後のニクソン大統領のところまで、堕ちている。8月にシリアが毒ガス兵器を使用したといって...
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15014 親中派という財産を失ってしまった習近平  加瀬英明

11月23日は、尖閣諸島から北海道の空まで、よく晴れていた。この日、中国が唐突に「防空識別圏(ADIZ)」を、尖閣諸島のうえまで設定した。私は対米戦争の3ヶ月の昭和16年9月の御前会議において、昭和天皇が明治天皇の御製「よもの海みなはらから...
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14792 地図をひろげて世界のありかたを学ぶ    加瀬英明

昭和14(1939)年にヨーロッパで第2次大戦が勃発したために、在留邦人家族の引き揚げが始まり、父を残して、ロンドンから母に連れられて、船で帰国した。私は3歳だった。私の幼い時の記憶のほとんどが、どこまでも煌(きらめ)く海と、船尾にはためく...
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14690 国を守る気概がなければ外敵から日本を守れない    加瀬英明

テレビを観ていたら、今年は学徒出陣の70周年に当たるが、出征した学生の記録が各大学にないために、いくつかの大学で職員が事務室で調べているところが、放映された。私は学徒出陣を称える風潮を、好まない。大学生は開戦から1年11ヶ月後に戦況が不利に...