発動されなかったOP5027の危機    古沢襄

1994年(平成6年)五月の朝鮮半島危機は断片的に伝えられてはいるが、真相は軍事機密なので分からない。

ドン・オ-バードーファーの「二つのコリア」は五月十九日にホワイハウスでクリントン大統領にぺりー国防長官らが朝鮮半島で戦争が勃発する危機について公式説明を行ったとしている。

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マンモスを追って北海道に現れたヒト    古澤襄

シベリアのバイカル湖を二度にわたって訪れて以来、この地のブリヤート人が約二万年前にマンモスとともに極寒の時代を避けて東進して、一万三千年前には、シベリアのアムール川周辺に到達したとの仮説にとりつかれた。

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日本のアニメ「戦艦ヤマト」や「戦士ガンダム」に影響を受けたのはロシアでは?    宮崎正弘

■ロシア陸海空軍が続々とロボット兵器を開発、近く実戦配備か

ロシアが「ロボット(軍事技術転用)研究所」を設立したのは2013年ごろとされる。

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「カーターの戦慄」と北朝鮮の核兵器保有    古澤襄

アメリカの大統領が持つ権限は日本の首相とは違って絶対・無二のものである。外交・安全保障政策にズブ素の無名の地方州知事がホワイトハウス入りし、アメリカの不利益ひいては世界の安全保障に深刻な影響を与えようとしたらどうなるか。

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西郷隆盛と藤田東湖    古澤襄

「先輩としては藤田東湖、同輩としては橋本左内、ともにわしの最も尊敬した人である」・・西郷隆盛が遺した言葉である。西郷は安政元年(1854)4月10日に江戸・小石川の水戸藩邸に東湖を訪れている。

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書評 「日本人の百年戦争」    宮崎正弘

<<坂本大典『日本人の百年戦争』(展転社)>>

この本はペリー来航以来、日本が戦ってきた外圧、とくに薩英戦争、馬関戦争を経て、初の対外戦争である日清・日露、そして第一次世界大戦から満州事変、日支事変から大東亜戦争へといたる、まさに「百年」の戦争を活写する。

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明治三十八年九月五日、ポーツマス    西村眞悟

百九年前の明治三十八年(一九〇五年)の今日、九月五日、前年の二月から一年七ヶ月にわたって戦われた日露戦争の講話条約が締結され、日露戦争が終結した。日本側全権は、小村寿太郎外務大臣、高平小五郎駐米公使ロシア側全権は、セルゲイ・ウィッテ

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対ロ制裁が告げるグローバル化の終焉    古澤襄

■ロイター・コラムでMark Leonard氏が予測

[30日 ロイター]欧州連合(EU)と米国がロシアに対する制裁を強化する一方、それに対するプーチン大統領の報復措置には、米外食大手マクドナルドへの攻撃も含まれるようだ。地政学が経済のグローバル化を逆行させる例として、これ以上象徴的な動きはないだろう。

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首相は人気とりの広島行きにしてはならない     古澤襄

▼日本列島は北は北海道から南は九州まで自然の猛威に曝されている。これに九月になれば台風の直撃にも備えねばならない。二〇〇〇年の歴史の中で日本人は自然の猛威に耐え、これを克服する努力を重ねて生きてきた。忍従の歴史である。

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米極秘文書「北方四島は日本保持」   古沢襄

■ソ連は諜報を駆使、スターリン熟読

「北方四島は第二次大戦の結果、ロシア領になった」と主張するロシア側の根拠は1945年2月のヤルタ密約である。

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日本の霊性の根幹には天皇がある    古沢襄

フランスのアンドレ・マルローは「二十一世紀は霊性の時代となるであろう」と言っている。

マルローは日本贔屓といわれたが、日本文化の根底にある「無常(precaire)」がわかるフランス人だった。戦後日本人よりも、もっと日本人らしいフランス知識人だったともいえる。

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三島由紀夫とアニミズム   古沢襄

正月早々に三島由紀夫がノーベル文学賞の候補になっていたことが話題になっている。これは一九六三年のことだが、その五年後に川端康成が日本人初のノーベル文学賞を受賞した。

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北一輝から贈られた日本人形   古澤襄

北一輝から贈られた日本人形が八十三年の歳月を経てわが家の床の間に飾られている。この人形は昭和五年に生まれた姪の誕生を祝って北一輝が贈ってきたものである。その姪・・私にとっては義理の姉に当たるが、先月の二十五日にガンで亡くなった。

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もう一つの「辻政信論」   古澤襄

六年前の春、「戦後秘史・服部卓四郎と辻政信」を書いた。”作戦の神様”服部卓四郎氏とは面識がなかったが、辻政信・参院議員とは国会の参院議員食堂でよく飯を食った。サンデー毎日に連載した「「潜行三千里」で一躍時代の寵児となった辻政信だったが、私が知る頃は時代の寵児のメッキが剥げてメデイアも相手にしない老人の姿を曝していた。

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書評『蒋介石の密使 辻政信』   宮崎正弘

蒋介石の「以徳報恩」なる世紀の欺瞞と親日家ぶる演出はなぜ生まれたのか。気絶するほどの欺瞞、偽善、悪魔の詐欺師は某参謀に共通した・・・。

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歴史が示す空母建艦競争の愚かさ 古澤襄

世界はかつて海軍力の増強、建艦競争に狂奔した時代がある。第一次世界大戦がドイツの敗北で終結し、世界に平和が訪れると思ったのもつかの間、アメリカは超弩級戦艦16隻の建造計画に着手した。

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極東に咲いた世界の花、江戸    加瀬英明

 1 極東に咲いた江戸の花
みなさん、こんにちは。今日は江戸時代の話をこれから進めていきます。

しばらく前に、江戸開府400年という年がめぐってきました。ご記憶の方もおいでかもしれません。江戸時代には、伊勢神宮は例外として、いちばん大事な神社といいますと、日光東照宮でした。徳川家康公の御霊をお祀りしているところです。全国に東照宮は40ほどあります。東京は上野に上野の東照宮があります。東照宮連合会がありますが、江戸開府400年を記念して事業を行おうということから、江戸研究学会をつくるということになって、私が以前から江戸時代が世界でもっとも素晴らしい時代だったということを書いたり、話したりしていた関係から、会長を引き受けております。

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「解放者」米兵、ノルマンディー住民にとっては「女性に飢えた荒くれ者」  古澤襄

<(5月27日 AFP)第2次世界大戦(World War II)中の仏ノルマンディー(Normandy)上陸作戦に参加した米軍兵士たちは、フランスをナチスドイツ(Nazi)から解放した勇敢な英雄として描かれてきた。そうした「若いハンサムな米兵さん」のイメージに隠された負の側面を明らかにした研究書が来月、米国で出版される。

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松本重治氏の「上海時代」を読み返す  古澤襄

日米戦争を教科書でしか知らない戦後世代が大部分なのだが、アメリカは「太平洋戦争」といい日本は「大東亜戦争」と称した。しかし、本当のところは支那大陸という巨大市場をめぐる日本と英米との衝突というのが歴史的に正しい。

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中国とツナミで気力を取り戻した日本  古澤襄

この20年間、日本はバブル崩壊後の沈滞と閉塞感に閉ざされていた。国内的には財政赤字を減らす健全財政が合い言葉になり、外交的には中国や韓国を刺激しない自虐史観に沈殿してきた。言うなら臆病なくらい安全運転のソロソロ歩きに徹してきた。

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欧米にひそむ「過激派の芽」  古澤襄

<[ロンドン 23日 ロイター]今月15日に米ボストン・マラソンで起きた爆破事件は、チェチェン系移民の兄弟が犯行を起こしたとみられている。一方、カナダでもモントリオール大学博士課程の留学生が、列車脱線を企てた容疑で逮捕されたことが22日分かった。

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日本の外交攻勢に焦る中国   古澤襄

中国が日米・日ロ離間策に狂奔している。その尻馬に乗っているのが韓国、遠吠えしているのが北朝鮮という構図がみえる。

ゴールデンウイークというのに安倍政権の主な閣僚は外遊・・・といっても海外見物に出掛けているのではない。安倍首相はロシア訪問に続いてサウジなど中東各国に親善の旅をしている。

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米国に不穏な影…政治的背景に不安感   古澤襄

このところ米国で発生しているボストン爆弾テロなど不穏な事件の連鎖に、広い意味で政治的背景があると思うには私だけであろうか?

白人優位のアメリカ社会は、確実に黒人や中南米のヒスパニックが力を得ている。オバマ政権はその新勢力の熱狂的な支持を得て再選され、リベラルな政策を実現しようとしている。ネオ・コンサーバテイズムが力を得て、アフガン戦争、イラク戦争をリードしたブッシュ共和党政権とは様変わりをみせた。

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世界大恐慌の直撃を受けなかった高橋是清蔵相   古澤襄

ロイター・コラムでCharles Wallace氏がアベノミクスに論評を加えている。筆者はロサンゼルス・タイムズ紙の元アジア特派員。それだけにアナリストの専門的な解説・論評を敬遠する向きには、分かりやすいのではないか。

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鹿児島・離島にケラトプス類の歯化石が発見  古澤襄

シベリアのバイカル湖周辺は約二万年前に人もマンモスも住めない極寒の時代を迎えている。マンモスを狩りしていたブリヤート・モンゴル人は東進を始め、一万三千年前には、シベリアと支那の国境にあるアムール川周辺に到達し、さらに地続きのサハリン、北海道を経て、まず本州の津軽地方に姿を現した。

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書評 『評伝 若泉敬――愛国の密使』 宮崎正弘

「現代の橋本左内」と機密漏洩テロリストを一緒には論じられない。若泉敬の愛国が蘇る力作、その保守思想家にして行動者への思い入れ。

<<森田吉彦『評伝 若泉敬――愛国の密使』(文春新書)>>
若泉敬――懐かしい名前である。「愛国の密使」という副題もなかなか考え抜かれている、と思った。沖縄返還の密使として日本外交の舞台裏で大活躍した若泉は、国士でもあり、伝統保守主義でありながら、歴史家アーノルド・トインビーの文明論にも惹かれ、国際的な視野にたって、外交安全保障分野では数々の論文を書き残した。若き頃から『中央公論』などで大活躍だった。

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山口多聞海軍中将のお屋敷で捕った雀の雛 古沢襄

東京市牛込区というのは、今では東京都新宿区になったが、戦前はお屋敷街として知られていた。私の家はお屋敷街とはほど遠い貸家が並んだ長屋。前の家は昭和文学史に残る文学雑誌「日暦」の編集者だった古我菊治さんが住んでいた。隣は文学雑誌「人民文庫」の主宰者だった武田麟太郎一家と縁が深い洋裁師の小母さんがいた。いうなら戦前の文学横町だったと言っていい。

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地球温暖化が亜氷期を招く 古沢襄

地球上でホモサピエンスが誕生したのは20万年前(猿人は百万年前)のアフリカだったといわれている。それが北上して、一つの流れはアジアに向かい、もう一つの流れはヨーロッパに向かったと言われている。

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♪いい湯だなアハハン 平井修一

先日、久し振りに風呂に入った。と言ってもシャワーだが、43度のお湯を浴びて、全身をシャボンでしっかり洗った。20分もかかったから、風呂嫌いの小生にとってはほとんどショック体験である。

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ふたつの砂漠宗教とアジア仏教 古沢襄

キリスト教とイスラム教は同根の宗教というと人は信じない。しかし、ともに旧約聖書から発した一神教である。同根なるがゆえに相容れない相克の歴史を積み重ねてきた。アメリカの政治学者サミュエル・P・ハンティントンは「文明の衝突」の著書の中で次の八つの文明をあげたが、やはりキリスト教文明とイスラム教文明を対比することに多くのページを割いている。

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