「沢内年代記」を読み解く(二十九)  高橋繁

天保十二年 辛丑(カノトフウシ1841年の記録)
【巣郷本の記録】
☆作柄は中作  ☆御用金百五十両
作柄は中作であった。年貢割合は元歩より一歩引きであった。また、御用金(臨時徴収金)は百五十両(約、1,500万円)を仰せ付けられた。この御用金は小割(分割して)として納めることになった。正月閏あり。(「御用金百五十両は小割となる」は個々人に分割され、さらに納入時期も分割納入されたと思われる。)

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多賀谷大名の古沢武将たち 古沢襄

秋の晴れ間を利用して茨城県八千代町川尻にある赤松山不動院に行ってきた。私の家から車で四十分ほどのところ、この地の土豪で後に古沢姓を名乗った赤松家の墓所がある。この十数年、年に二、三度はこの墓所に来て調査を重ねてきた。

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国難・大津事件 伊勢雅臣

中国人船長を国内法を無視して釈放してしまった事件に関して、大津事件が思い起こされている。来日中のロシア皇太子を襲った凶漢に対して、政府はロシアを怖れて、死罪を求めるが、国内法を守って、それに待ったをかけたのが大審院(最高の司法裁判所)院長・児島惟謙(これかた)だった。

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