松本重治氏の「上海時代」を読み返す  古澤襄

日米戦争を教科書でしか知らない戦後世代が大部分なのだが、アメリカは「太平洋戦争」といい日本は「大東亜戦争」と称した。しかし、本当のところは支那大陸という巨大市場をめぐる日本と英米との衝突というのが歴史的に正しい。

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中庸の精神を護った緒方竹虎  古澤襄

午前四時、白々と夜が明けている。冬と春が去り、夏を待つ季節となった。

グーグル検索で杜父魚ブログのユーザー数は3万4000台に乗っている。3万4104、五月に入って五〇〇〇人の読者が増えたことになる。硬派のブログだから、何が原因で読者が急増したのか、朝の空気に当たりながら考えているが、やはり、この国を取り巻く内外情勢が厳しくなったためだろうと、とりあえず総括しておく。

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中国とツナミで気力を取り戻した日本  古澤襄

この20年間、日本はバブル崩壊後の沈滞と閉塞感に閉ざされていた。国内的には財政赤字を減らす健全財政が合い言葉になり、外交的には中国や韓国を刺激しない自虐史観に沈殿してきた。言うなら臆病なくらい安全運転のソロソロ歩きに徹してきた。

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出雲大社と「葬られた王朝 古代出雲の謎」  古澤襄

<60年ぶりに社殿などを大規模に改修する「平成の大遷宮」が行われている島根県の出雲大社で、改修が行われた本殿に祭神の大国主命を戻す「本殿遷座祭」が10日夜、行われました。

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習近平は清朝の「乾隆帝」と英国誌  宮崎正弘

習近平を「乾隆帝」になぞらえる英誌『エコノミスト』。英国が誇る聡明リベラル媒体も北京に阿ると分析が鈍るのか?

英誌『エコノミスト』(2013年5月4日号)の表紙は、乾隆帝の豪華な服装を着て右手にシャンペン、左手に子供のピロピロ笛(吹き戻し)を持つ習近平皇帝。

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“安倍たたき”こそ時代錯誤   黒田勝弘

韓国の朝7時のテレビニュースが冒頭から「日本が軍国主義復活の歩みを早めております!」と興奮気味に声を高めていた(4月30日のKBS)。画面には日本での政府主催の「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」で安倍晋三首相ら出席者が「天皇陛下万歳」の声を上げた場面と、安倍首相が迷彩服にヘルメット姿で戦車に乗って手を振っている写真が出ていた。

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欧米にひそむ「過激派の芽」  古澤襄

<[ロンドン 23日 ロイター]今月15日に米ボストン・マラソンで起きた爆破事件は、チェチェン系移民の兄弟が犯行を起こしたとみられている。一方、カナダでもモントリオール大学博士課程の留学生が、列車脱線を企てた容疑で逮捕されたことが22日分かった。

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君征く日 軒端の足袋の 乾きけり  古澤襄

<昭和23年の10月、義弟の漫画家・岸丈夫から母のところに電話が掛かってきた。

「義姉さん、兄貴の消息が分かったんだ」
「上田の金ちゃん(注記=母・真喜の実弟)から知らせがあったんだ。兄貴は、終戦の翌年の五月には、もう亡くなっていた。兄貴の最後を看取ってくれた戦友が帰国して連絡してくれた」>

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日本の外交攻勢に焦る中国   古澤襄

中国が日米・日ロ離間策に狂奔している。その尻馬に乗っているのが韓国、遠吠えしているのが北朝鮮という構図がみえる。

ゴールデンウイークというのに安倍政権の主な閣僚は外遊・・・といっても海外見物に出掛けているのではない。安倍首相はロシア訪問に続いてサウジなど中東各国に親善の旅をしている。

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神話は民族の”出でき始め”の物語   古澤襄

古代神話を歴史書として読むと、史実とは思えない隘路に迷い込む。だがその民族の”出でき始め”の物語として読むと、これほど魅力ある説話はまたとない。ギリシャの神々をうたった「ギリシャ神話」は西欧文学の出でき始めの親なのである。

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