古代トルコ民族に伝わる「狼祖神話」  古沢襄

支那上古史を惹かれて黄河流域の漢民族について考えているうちに、その黄河流域を取り囲む周辺にオリエント文明の影響を受けた古代トルコ民族の末裔が作った国家群があったことを知った。

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中国の「犬肉祭り」に思うこと   古沢襄

■ロイター・コラムでKim Kyung-Hoon氏が伝えた中国玉林市の犬肉レストラン

[玉林(中国)25日 ロイター]ハンマーで殴られて気絶させられ、絞め殺される犬たち。その後、丸焼きにされ、吊るされた状態で店頭などに並ぶ。この光景は、中国南部の広西チワン族自治区玉林市では、夏の「風物詩」となっている。

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豚が羊に勝った清国と元王朝のお話    古沢襄

■イスラム教徒は豚肉を食べないというが・・

イスラム教徒は豚肉を食べない。その話でジンギス汗が金国(女真族)を攻めた時に「女真族は豚を食う」とモンゴル騎兵が蔑視したことを思い出した。

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「“中韓に期待”外交」の愚    古沢襄

■日本の「行くべき道」は神話に学ぼう

初詣。手水舎で手や口をすすぐ。左手から右手、そして口の順で、さらに左手を清め、柄杓の柄を洗い流して元に戻す。

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発動されなかったOP5027の危機    古沢襄

1994年(平成6年)五月の朝鮮半島危機は断片的に伝えられてはいるが、真相は軍事機密なので分からない。

ドン・オ-バードーファーの「二つのコリア」は五月十九日にホワイハウスでクリントン大統領にぺりー国防長官らが朝鮮半島で戦争が勃発する危機について公式説明を行ったとしている。

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注目される【明日香に巨大方墳】    古沢襄

■舒明天皇か蘇我蝦夷か? 斉明天皇説も…考古学者の意見分かれる

△645年の乙巳(いっし)の変で日本歴史から姿を消した古代大族・蘇我氏くらい興味を惹く氏族はない。戦時中は悪逆非道の徒として触れることさえタブー視された。

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「カーターの戦慄」と北朝鮮の核兵器保有    古澤襄

アメリカの大統領が持つ権限は日本の首相とは違って絶対・無二のものである。外交・安全保障政策にズブ素の無名の地方州知事がホワイトハウス入りし、アメリカの不利益ひいては世界の安全保障に深刻な影響を与えようとしたらどうなるか。

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古代史には推理小説を読み解く楽しさ   古沢襄

司馬遼太郎は代表作「坂の上の雲」や「菜の花の沖」書きながら”北アジア史的なもの”を考え続けている。それが「ロシアについて 北方の原形」の作品になった。

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聡明で誇り高きブリヤート娘たち(再掲)   古沢襄

日本人の遺伝子には北方系と南方系の「二重構造モデル」がみられるという。日本犬の遺伝子にも「二重構造モデル」があるというのは興味深い。およそ一億二〇〇〇年から一億三〇〇〇年前にシベリアのバイカル湖周辺にあったブリヤート人が地続きのサハリン、北海道を渡って日本にやってきた。その数は七〇〇〇人前後という推定値がある。

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対ロ制裁が告げるグローバル化の終焉    古澤襄

■ロイター・コラムでMark Leonard氏が予測

[30日 ロイター]欧州連合(EU)と米国がロシアに対する制裁を強化する一方、それに対するプーチン大統領の報復措置には、米外食大手マクドナルドへの攻撃も含まれるようだ。地政学が経済のグローバル化を逆行させる例として、これ以上象徴的な動きはないだろう。

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スサノオの伝承と梅原猛氏    古澤襄

昨夜は梅原猛氏の「葬られた王朝 古代出雲の謎を解く」を本棚から引っ張り出して再読している中に、スサノオの項に引き込まれ、いつしか夜が白々と明けてしまった。

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都塚古墳はピラミッド形=大型方墳   古澤襄

■蘇我稲目の墓との説も―奈良

時事通信は「ピラミッドのような形の古墳は、現在の中朝国境地域に高句麗時代に築かれた”将軍塚”の形状によく似ている」・・・と指摘した。

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出雲神話はスサノオを祖とした王家の物語   古沢襄

古代出雲は謎に包まれている。戦後、歴史学会が唯物史観に染まった頃は、出雲神話を研究する歴史学徒はいなかった。古事記ですら”偽書”と切り捨てられた。

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古代朝鮮の統一王朝は新羅なのか   古沢襄

韓国の歴史学会は古代朝鮮の統一王朝は新羅だとしている。ところが高句麗の末裔をもって任じている北朝鮮は高句麗・高麗国が最初の統一王朝だと主張して譲らない。

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「日本的なもの」の再認識は当然の帰結  古沢襄

日本人が2000年の歴史を持つ伝統文化に回帰するのは単なる懐古主義ではないし、偏狭なナショナリズムでもない。

敗戦で失われた「日本的なもの」を再認識しているのは当然のことである。

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古代トルコ民族の”言い伝え”・狼祖神話  古沢襄

司馬遼太郎は代表作「坂の上の雲」や「菜の花の沖」書きながら”北アジア史的なもの”を考え続けている。それが「ロシアについて 北方の原形」の作品になった。

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アジアにおける”事大主義”の歴史   古澤襄

■小国の智恵といわれるが、亡国の自己保身

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』に事大主義(じだいしゅぎ)の外交政策が詳しく述べられている。事大主義は、大に事(つか)えるという考えと行動を表す語。外交政策の1つでもあるという。

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福澤諭吉が予言した「朝鮮滅亡」   古澤襄

■韓国の屈折した負のスパイラル

軍用艦命名にあたり、縁起の悪い「敗軍の将」の名をかぶせる海軍は極めて珍しい。ドイツが輸出用に開発し、韓国で建造する214型潜水艦の4番艦で、8月に進水した《金佐鎮(キムジャジン)》はそうした珍例の一つ。

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極東に咲いた世界の花、江戸    加瀬英明

 1 極東に咲いた江戸の花
みなさん、こんにちは。今日は江戸時代の話をこれから進めていきます。

しばらく前に、江戸開府400年という年がめぐってきました。ご記憶の方もおいでかもしれません。江戸時代には、伊勢神宮は例外として、いちばん大事な神社といいますと、日光東照宮でした。徳川家康公の御霊をお祀りしているところです。全国に東照宮は40ほどあります。東京は上野に上野の東照宮があります。東照宮連合会がありますが、江戸開府400年を記念して事業を行おうということから、江戸研究学会をつくるということになって、私が以前から江戸時代が世界でもっとも素晴らしい時代だったということを書いたり、話したりしていた関係から、会長を引き受けております。

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出雲大社と「葬られた王朝 古代出雲の謎」  古澤襄

<60年ぶりに社殿などを大規模に改修する「平成の大遷宮」が行われている島根県の出雲大社で、改修が行われた本殿に祭神の大国主命を戻す「本殿遷座祭」が10日夜、行われました。

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“安倍たたき”こそ時代錯誤   黒田勝弘

韓国の朝7時のテレビニュースが冒頭から「日本が軍国主義復活の歩みを早めております!」と興奮気味に声を高めていた(4月30日のKBS)。画面には日本での政府主催の「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」で安倍晋三首相ら出席者が「天皇陛下万歳」の声を上げた場面と、安倍首相が迷彩服にヘルメット姿で戦車に乗って手を振っている写真が出ていた。

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日本の外交攻勢に焦る中国   古澤襄

中国が日米・日ロ離間策に狂奔している。その尻馬に乗っているのが韓国、遠吠えしているのが北朝鮮という構図がみえる。

ゴールデンウイークというのに安倍政権の主な閣僚は外遊・・・といっても海外見物に出掛けているのではない。安倍首相はロシア訪問に続いてサウジなど中東各国に親善の旅をしている。

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神話は民族の”出でき始め”の物語   古澤襄

古代神話を歴史書として読むと、史実とは思えない隘路に迷い込む。だがその民族の”出でき始め”の物語として読むと、これほど魅力ある説話はまたとない。ギリシャの神々をうたった「ギリシャ神話」は西欧文学の出でき始めの親なのである。

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神話の世界 「出雲王朝VS大和王権」裏付ける〝物証〟  古澤襄

梅原猛氏が「葬られた王朝 古代出雲の謎を解く」(新潮社)を発刊したのは2010年4月、出雲神話がフィクションの世界だと軽視され続けてきた歴史学会に一石を投じた。

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神話の世界の昔氏と天日桙   古澤襄

井上秀雄氏の「古代朝鮮」(NHKブックス)に新羅の三姓始祖神話が出てくる。

<新羅の現実の王・金氏と直接かかわりを持たない朴氏が開国の始祖となり、朴氏七代についで貴族にもない架空の昔氏が八代もつづくというのである>

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「内には妖婦を信じ」と唐碑に刻まれた百済王妃  古澤襄

「日本書紀」巻26の「天豐財重日足?天皇 齊明天皇」の項に次の記述がある。日本の古代国家の形成過程で朝鮮半島の「百濟(百済=くだら)との関係が重視され、儒教、仏教はじめ多くの大陸文化がもたらされた。

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海が”時代の情報”を伝えてくる  古沢襄

渡部誠一郎さんが亡くなった。畏友・渡部亮次郎氏の兄貴。誠一郎さんは私と同年、秋田の県紙・秋田魁新報の常務だった人だが、郷土史の造詣が深いのでかねがね敬意を払っていた。1990年に「中川重春・伝: 男鹿が生んだ英傑」の著書がある。

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ツングースの扶余族が大和国家を創った?  古沢襄

古代の四世紀は空白だと歴史に関心を持つ人たちはよく言う。北アジア史にしか関心がなかった頃だから聞き流してきた。そんな私をみて「これを読んでみろ」と渡されたのが松本清張氏の「空白の世紀」。だが小説家が書く歴史物なのだから、パラパラとめくって放っておいた。

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正史よりも野史の方が面白い  古沢襄

西和賀町の「銀河ホール」の前にある蕎麦屋で、作家の高橋克彦さんが『炎立つ』の長編小説を書いた裏話をしてくれた。『炎立つ』は北の王者だった安倍一族の興亡史を描いたものだが、安倍氏に関する史料は少ない。朝廷に叛いた蝦夷という位置付けだから、ほとんどの史料は抹殺されている。あるのは朝廷側からみた征討軍の戦記物だけといっても言い過ぎではない。

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対馬国の防人と大族の阿比留姓  古沢襄

大型連休に入る。もっとも海外はゴーデンウイークではない筈だから、海外ニュースはいつも通り飛び込んでくる。国内の政局の動きは小休止となるのではないか。私にとっては、もっけの幸。日頃、書きかけだった歴史と神話の記事をボチボチ完成させようと思っている。

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消えた「獣祖神話」と残った「感精神話」 古沢襄

初めてシベリアのバイカル湖を訪れて10年以上の歳月が去った。その時に通訳についてくれたのがイルクーツク大学日本語学科の女子学生だった。長身で涼しげな目をしたブリヤート娘だったが、聡明で誇り高き性格に惹かれた。

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聖地・白頭山で噴火があれば北朝鮮政権に甚大な打撃 古沢襄

ここにきて韓国紙が一斉に北朝鮮の「白頭山」の噴火予測を取り上げている。白頭山は10世紀に過去2000年間で世界最大級とも言われる巨大噴火を起こしたといわれている。その火山灰は偏西風に乗って日本の東北地方にも降り注いだ。

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日本神話は日本文学の祖(おや) 古沢襄

神武東征(じんむとうせい)は、初代天皇であるカムヤマトイワレビコ(神武天皇)が日向を発ち、大和を征服して橿原宮で即位するまでの日本神話。この中に八咫烏が出てくるが、高句麗の建国神話・三本足のカラスとの類似が指摘されている。

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三本足のカラスの古代神話 古沢襄

中国や朝鮮などの古代神話に登場する”三足烏(さんそくう)”だが、韓国の朝鮮日報が「韓国文化の中でどのように形成され、時代によってどのような変化を遂げ、現代に至ったか」という美術史を専攻する学者の著作を紹介している。

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「対馬国志(3巻)」の受賞 馬場伯明

長崎新聞(2010/9/3)に嬉しい記事があった。抜粋(抄録)する。《第13回日本自費出版文化賞の最終選考会で、大賞に対馬市厳原町の郷土史家、永留久恵さん(89)の「対馬国志」(全3巻)が選ばれた。同賞は自費出版の普及を目的に日本グラフィックサービス工業会が主催する。

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幻の中世都市・十三湊と興国の大津波 古沢襄

1987年7月末に安倍晋太郎氏が画家の岡本太郎氏と一緒に訪れた青森県五所川原市は、作家・太宰治の生まれ故郷だが、幻の中世都市・十三湊としても有名である。1340年に起こったとされる興国の大津波で一瞬のうちに壊滅したと伝えられている。

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平和国家は歴史に名を残さない 古沢襄

シニカルな言い方をすれば、戦後60年以上も続いた平和の時代は、これが百年続こうと歴史には残らない気がする。言い方が悪いかもしれないが、歴史というのは戦争、争乱、征服、侵略の集大成だといえる。今の様な平和な時代は、後世になってドラマチックな要素に欠けるので、小説やドラマになりくい。

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扶余・高句麗・百済と新羅の建国神話 古沢襄

古代朝鮮の高句麗、新羅、百済三国の歴史は、まだ未解明な部分が多い。ひとつには戦前・戦中の古代朝鮮史の研究が日本人研究者の手に委ねられ、一定の水準を保ちながら、それ以上のものになり得なかった事情がある。

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サソリ王妃に刺されたジンギス汗 古沢襄

北アジア史に興味があった私は、「蒙古源流」に出てくるグルベルジン・カトウンという美妃の悲話に心を惹かれる。グルベルジン・カトウンは別名でサソリ妃、シルクロードの要衝の地で、交易で栄えた西夏の王妃であった。

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鳩山一郎氏が参拝した「出世明神」と高句麗神話 古沢襄

参拝すれば総理大臣になれるという「出世明神」が埼玉県日高市新堀にある。鳩山首相の祖父・鳩山一郎氏もこの神社を参拝した後に首相官邸の主になった。歴代の総理大臣では浜口雄幸、若槻禮次郎、斉藤実、小磯国昭、幣原喜重郎氏らが参拝していた。政治家というのは”縁起”を担ぐところがあるらしい。

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東北の馬の由来はツングース系 古沢襄

岩手県沢内村には大正時代の末期まで、茅葺きの私の家があった。共同通信社の政治部長だった小田島房志さんが「君の家屋敷には大きなケヤキの木があって、その前を通りながら小学校に通ったものだ」と述懐していた。小田島さんは沢内村の出身、あだ名は”岩手牛”。私の遠縁に当たる。

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♪いい湯だなアハハン 平井修一

先日、久し振りに風呂に入った。と言ってもシャワーだが、43度のお湯を浴びて、全身をシャボンでしっかり洗った。20分もかかったから、風呂嫌いの小生にとってはほとんどショック体験である。

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縄文的なものと弥生的なものの二面性 古沢襄

現代では、松本秀雄氏がGm遺伝子の観点から、日本人の等質性を示す「日本人バイカル湖畔起源説」を提唱しており、また、ヒト白血球型抗原の遺伝子分析により、現代日本人は周辺の韓国人や台湾人よりも等質性が高い民族であるとの報告もある・・・かなり専門的な説明なので、私流に解説すると

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日本人のルーツ・ブリヤート人? 古沢襄

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』に「ブリヤート人」の記載がある。まだ書きかけの記載なので、断片的なそしりを免れないが、北アジアの歴史に関心がある方は、一応は目を通しておく必要がある。
さらには司馬遼太郎氏の「ロシアについて 北方の原形」は、北アジアの歴史に関心を寄せた司馬作品の覚え書きとも言うべきものである。「坂の上の雲」や「菜の花の沖」を執筆した七年余り、司馬氏はロシアの特異性について考え続けたと言っている。

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縄文土器が生まれる前の日本列島 古沢襄

多くの日本人のルーツはシベリアのバイカル湖周辺という北方系説が確立したのは、DNA鑑定が決め手となった。それまでは古事記や日本書紀で伝わってきた神々の神話の世界に起源を求めた南方系説が有力であった。

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大彦命と建沼河別命が会津でめぐり合った 古沢襄

会津の名称について地元の人から「3世紀頃、四道将軍の大彦命が北陸道から、子の建沼河別命が東山道を遠征し、出会ったところが”相津”だった」と聞いたことがある。こういう話には滅法、取り憑かれる私なので古代史に詳しい学者の知見を調べまくった。

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渤海国人船代 信濃大門

東御市(旧北御牧村)に両羽(もろは)神社という神社がある。 下之城という地籍にあり官牧のあった御牧台地の西斜面にある。

この神社には、木造の船代と呼ばれる人の木像がありこの人物はダッタン人(渤海国人)だといわれている。

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参拝すると総理大臣になれる神社 古沢襄

三年前の六月のことになるが、四人の北朝鮮人が小舟で脱北し、青森海岸に漂着したことがある。佐渡島を目指し、携帯用の小型羅針盤を持っていたが、海流に流され青森海岸にまで持っていかれたと四人は言っていた。六月の日本海は穏やかな海になる。だが海流の速さは変わらない。

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金日成が朴正煕を一時支持 古沢襄

韓国の朝鮮日報は、北朝鮮が朴正煕元大統領らを「左派」と判断していたとする中国の外交文書を明らかにしている。1961年5月16日、朴正煕陸軍少将は軍事クーデターを起し、国家再建最高会議議長に就任している。その時に北朝鮮の金日成主席は、これを支持する声明を準備したという。

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