「沢内年代記」を読み解く(三十三)  高橋繁

明治二年 己巳(ツチノトミ・・・1869年の記録)
【巣郷本の記録】
この年もお役人様が通ること限りなく続いた。この年、南部藩の関所である越中畑の御番所は役人も引き揚げられ無くなった。この年光銭一文(微量の金、又は銀を含んだ一文銭)は十二文となって売買された。田畑の作物は下の下作となり、沢内通り一円は種を採ることができなかった。

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「沢内年代記」を読み解く(三十二)  高橋繁

元治元年 甲子(キノエネ・・・1864年の記録)
【巣郷本の記録】文久四年に改元があって元治元年となった。

【「岩手県史―第12巻(年表)」より】              
三月盛岡藩主南部利剛領内東海岸を巡視砲台を築く。七月武田耕雲斎の騒乱起こり盛岡藩兵江戸に上る、後九月藩主利剛も出府する。七月八戸藩主南部信順京都警衛を命ぜられる。十二月二十八日八戸町大火三百五十六軒寺院三ケ寺他を焼く。この年、稗貫志和地方打直検地新田検地あり。

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