「沢内年代記」を読み解く(十九)  高橋繁

文化二年 乙丑(キノトウシ・・・1805年の記録)  
☆藩主利啓公従四位に叙せらる
①屋形様(南部藩の殿様・第三十六代利啓公。屋形は利啓公の号で、私称にして使用は領内に限られる「南部史要」)は「四品の御位」(しほんのおんくらい・令制で定められた親王の位、一品から四品まであった。)となる。「南部史要」には、「十二月十六日公従四位下に叙せらる。時に年二十三、古例によるに四位に上るは年四十以上なるも、公蝦夷地警護の功あるため特にこの栄進あるたるなり」とある。

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